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CES 2018レポート 第16回

「8K」はプロトタイプも多数 CESで見た次世代薄型テレビ

2018年01月12日 09時00分更新

文● 折原一也

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AI対応有機ELテレビ、その名も「LG AI OLED TV ThinQ」が登場

テレビに対してボイスアシスタントによる操作が可能

テレビに対してボイスアシスタントによる操作が可能

LGは「LG ThinQ」の枠組みを通して白物家電との連携までも構想

LGは「LG ThinQ」の枠組みを通して白物家電との連携までも構想

 CES 2018で高画質とは別の次元で意欲的な有機ELテレビがLGの「LG AI OLED TV ThinQ」だ。

 名前の通り、なんと全面的にAIテクノロジーを取り込んでいる。LG独自の「LG ThinQ」と「Googleアシスタント」に両対応し、薄型テレビをボイスで操作するという体験を身近にしてくれる。

 音声アシスタントとなるとニュースや天気予報、マップといった使い方が一般的になるが、LGのデモのポイントとなるのが、テレビ番組に出演している俳優に対して「この人は誰?」と呼びかけると結果がリストアップされたり、「この番組が終わったら電源を落として」とテレビに即した機能があること。

 なお、通常のボイスアシスタントとして機器連携も可能なので、LG ThinQの用語で白物家電連携、そしてGoogleアシスタントまで取り込む姿勢と合致しているとも言える。

 LGの4K 有機ELテレビのラインナップは2017年と変わらず、最上位の「W8」は超薄型で壁掛けに対応し、サウンドバー型チューナーユニットを備える。

 「G8」も別筐体のチューナーユニットを採用。「E8」「C8」「B8」はデザインの異なるスタンドを採用する。

LGが新開発した高画質回路「α9」

LGが新開発した高画質回路「α9」

オブジェクト検出による超解像に対応

オブジェクト検出による超解像に対応

 今年のLGの有機EL発表のもうひとつの目玉が高画質回路「α9」で、CPU性能が35%、GPU性能が35%、メモリー性能は50%向上し、4段階でかかるノイズリダクションやHFR(ハイフレームレート)、色表現の正確さを決める3Dルックアップテーブルというように高画質回路を大幅に強化してきた。なおα9はW8/G8/E8に搭載される。

 スピーカーはいずれも形状が異なるが、引き続き「ドルビーアトモス」に対応している。

噂の「The Wall」はサイネージ用途向け? 8K研究も進行中

150インチで文字通り壁のように公開していた「The Wall」

150インチで文字通り壁のように公開していた「The Wall」

マイクロLEDの構造も出展

マイクロLEDの構造も出展

 日本では製品発売のないブランドだが、サムスンによる世界初のマイクロLEDテレビ「The Wall」も注目を集めた。

 RGBの小型LEDを直接発光させるタイプのディスプレーで最大2000nitsの輝度とコントラスト表現を可能とする。

 実機をサムスンブースで視聴したが、まず大前提として画面サイズが146インチと巨大で、一般的にテレビと呼ぶサイズではなく“壁”。用途としてはデジタルサイネージの領域だ。

 高コントラストと2000nitsというHDRライクなスペックではあるが、ブースデモの映像の精細感は今ひとつ。非公表の解像度も気になるが、いずれによホームのAV用途とはまだ遠い存在のようだ。

 サムスンは8K画質に対応した高画質回路の「AI Technology」も出展。高画質回路の分野ではデータベース解析の段階で、ソニーなどは古くからAIの機械学習が用いられているが、サムスンも8K対応のタイミングで改めて注目の「AI」というキーワードに注目した形だ。

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