VOXの「Adio Air」シリーズは、Bluetoothスピーカーとして結構イケていることがわかった。
アンプシミュレーター内蔵のギターアンプであるにも関わらず、普段使いの卓上オーディオとして優秀だ。特に独自開発というサラウンド機能「Acoustage」の、まるで容赦ない利き方は素晴らしいの一語に尽きる。繰り返そう。素晴らしい。
で、今回はギターをつないでみた。ギターやベースを鳴らすのが主たる用途なので、やってみないわけには行かないのである。
ところが私はベースがほとんど弾けないため、説明はギター用のAdio Air GTが中心。知ったかでベース用のAdio Air BSについて書いたところで、ベーシストのみなさんは変態的に物知りであり、すぐにバレる。あしからず。
本体で扱える機能はごく一部
さて、パネル上で選べるシミュレーターのアンプモデルは全11種。メーカーとしては、はっきりと書けないのだろうが、もはやバレバレの暗号と化した以下のような文字列が、左ロータリースイッチ周辺にプリントされている。
DELUXE CL
AC30
BTQ CL
AC30 TB
BTQ OD
TEXAS LEAD
BRIT 1959
BRIT 800
BRIT VERB
DOUBLE REC
FLAT
VOXの製品だから、AC30に力点があるのは当然として、フェンダー、マーシャル、クリーンにハイゲイン方面もカバーしている。このうちおもしろいのは「TEXAS LEAD」。フェンダーのブラックフェイスにチューブスクリーマーを足したもののようで、要するにSRV仕様だ。アンプを忠実に再現するだけではない、実用に即した(?)設定である。最近のVOX製品らしい。
このアンプモデルの後にエフェクトが2スロット。FX1がコーラス/フランジャー/フェイザー/トレモロのモジュレーション系4種、FX2がアナログディレイ/ワイドディレイ/スプリングリバーブ/ホールエコーの残響系4種。
しかし、こうした本体で選べるアンプモデルやエフェクトは、全体の一部に過ぎない。VOX謹製アプリ「Tone Room」からアクセスすることで、アンプモデルは全23種、エフェクトは全19種に増える。細かいパラメーターも設定できる。必ずダウンロードしなければならない。