組み立ては慎重さが重要
それではIrisの組み立てのプロセスを解説しよう。キーボード自作キットよりハンダ付けの点数が多いだけでなく、作業の順番をちゃんと守らないと、とんでもない遠回りを強いられる。詰まるポイントをなるべく記述したつもりなので、これを読めばきっちりIrisがビルドできるだろう。
Step 1 ダイオードをはんだ付け
オープンソース系キーボードの場合、基板に基本何もパーツが実装されていない。これをキーボードとして稼働させるためのパーツをひとつひとつ取り付けていくのだ。
まずは基板にダイオードを取り付ける。キーボードにおいてダイオードは“アンチゴースト機能”を実現する極めて重要な部材となる。
ダイオードは電流を一定の向きにしか流さないため、逆に取り付けてしまうことのないよう、しっかり観察しよう。Irisの場合“四角いパッド(電極)”側にダイオードの“帯”が来るように配置する。
もう一つ重要なポイントは、ダイオードを取り付ける面が基板の左右を決定するということだ。ダイオード用のパターンは基板両面にあるが、2枚とも同じ絵の見える側に取り付けたらそれは失敗を意味する。いきなりつまずかないよう、慎重に作業を行なおう。
Step 2 その他のパーツを取り付ける
ダイオードが正しく装着できたら、ダイオード以外の細々としたパーツを取り付ける。ここではTRRSケーブル用ジャックとリセットスイッチなどを固定する。
Iris基板には小さなチップ部品と抵抗が数本同梱されているが、今回はそれらは使用しない。キーバックライトを点灯させる場合、あるいは左右の通信にI2Cを使いたい場合にのみ実装しよう。特に後者は明確な目的がなければ抵抗を実装するメリットはない。
Step 3 キースイッチをプレートに合体
前回扱ったRow-Staggeredなキーボードキットはキー配列にかなり幅を持たせることができるため、キースイッチをプレートに装着する際はキーキャップ幅を考慮にいれたパズルのような作業が必要だった。
だがIrisのようなColumn-Staggeredなエルゴノミクス志向のキーボードでは、キーの配置にあまり自由度がないため、すぐに終わる。
唯一例外は親指で操作する一番外側のキーで、この部分だけは1Uのキー2個か2Uのキー1個を選択できる。筆者の場合右手側は1U×2、左手を2U×1にした。2Uにする場合は別途2U用スタビライザー(前回参照)が必要だ。
この連載の記事
-
第4回
PCパーツ
カスタムキーマップで自作キーボードを自分の分身とする -
第2回
PCパーツ
自作キーボード用パーツをそろえて、お手軽自作に挑戦 -
第1回
PCパーツ
人はなぜキーボードを自作するのか? “キーボー道”への誘い -
PCパーツ
KTUの自作キーボー道 - この連載の一覧へ