今回紹介するのは、海外でコアゲーマーに絶大な人気を誇るFPS「DOOM」をVR専用ゲームとしてリメイクした「DOOM VFR」だ。2016年にこれまでのシリーズのリブート作品として発売された「DOOM(2016)」のモデルやステージをそのままVRで体験できる。
ゲームは突如として異界から現れたデーモンたちが占拠する火星が舞台。原作どおり非常にグロテスクな造形をしたデーモンがVRで目の前に現れるため、そのおぞましさは数倍にも感じられる。
そんな世界で頼れる武器は、ショットガンやマシンガン、プラズマライフルやロケットランチャーなどが用意されており、瞬時に切り替えて戦える。また武器だけではなく、原作にも登場した「グローリーキル」システムも実装されている。これは敵が弱っているタイミングで発動できる近接格闘攻撃で、発動すると一撃で倒すことができる。銃の弾薬量は限られているため、グローリーキルも積極的に使っていきたい。
ありとあらゆる方向から様々な敵がいっぺんに襲ってくるシステムはVRになっても健在。銃だけでは倒し切れない敵もいるが、そんな時は敵が背負っているガスボンベや近くに置かれているドラム缶を撃って爆発させ、それに巻き込もう。
また、ステージ最後のラッシュなどの時はパワーアップアイテムが存在するため、それを利用して敵を少しでも減らしておきたい。プレイヤーが使用するアーマーや武器は、ステージに配置されている「ステーション」でアップグレードできる。自分のプレイスタイルに合わせた武器をアップグレードすれば、戦闘でもその力を遺憾無く発揮できるだろう。
DOOMファンにはおなじみの火星の風景はそのまま再現されている。ステージやギミックなどもおなじみのものが用意されており、世界観を十二分に楽しめる。ホームスペースになる場所ではDOOMに登場する敵やオブジェクトなどのミニチュアもあるため、それを眺めているだけでも楽しい。
海外で非常に人気が高い「DOOM」シリーズは総じて難易度が高く、そのVR版となる本作も例外ではない。その難易度は「Robo Recall」などの有名タイトルよりもずっと上で、あまり初心者向けとは言えない。逆に、この作品を楽々クリアできるのであれば、ほとんどのVRシューティングゲームはやさしく感じるだろう。
また本作はチュートリアルこそ丁寧なものの、登場する武器の説明などはほとんどなく、原作をプレーしたユーザーでなければそれらを戦闘に生かしにくいのも難点だ。移動方法に関しても慣れるまでは誤操作が頻発し、気づいたら敵のど真ん中に居ることすらある。原作で人気の高かったグローリーキルも実装はされているものの、筆者は少し物足りなく感じる部分もあった。
上記のような難易度の高さや不親切さゆえなのか、Steamでの評価はあまり高くない。一方で「DOOM」シリーズのファンであれば、あのデーモンたちが間近で見られるというだけでも非常に興奮できるだろうし、難易度の高さもおそらく気にならないだろう。原作のファンや、ほかのVRシューティングゲームでは物足りない、もっとハードなシューティングゲームをプレーしたいと思うプレイヤーにはぜひともおすすめしたい。
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