さとうなおきの「週刊アジュール」 第9回
「Microsoft Connect 2017」新発表にキャッチアップ、DB・IoT・AI編
“インテリジェントエッジ”を実現する「Azure IoT Edge」、機械翻訳のオンプレ版が利用可能に
2017年11月24日 12時00分更新
Microsoft Cognitive Services:Translatorの翻訳品質向上、Custom Vision Serviceのエクスポート
ここからは、AI関連サービスのアップデートを紹介していきます。
Microsoft Cognitive Servicesは、画像認識、音声認識、自然言語処理といった、AIを活用したAPIサービスです。
翻訳機能を提供するTranslator Text API、Translator Speech APIは、深層学習(ディープラーニング)を活用したNMT(ニューラル機械翻訳)を提供しています。
今回、Translator Text API/Translator Speech APIでいくつかのアップデートがありました。
まず、NMTが翻訳元、翻訳先の2言語のうち1言語だけをサポートしている場合でも、NMTを活用して翻訳の品質を向上できるようになりました。NMTは日本語をサポートしているので、日本語と他のあらゆる言語との間の翻訳の品質が向上することになります。
Translator Speech APIの音声翻訳で、エンドツーエンドでLSTMニューラルネットワークによる音声翻訳が使われるようになり、翻訳品質がさらに向上しました。
また、ニューラルネットワークによる翻訳機能が、クラウドサービスのMicrosoft Cognitive Servicesに加えて、オンプレミスでも利用できるようになりました。
Microsoft Cognitive Servicesのその他のアップデートとして、カスタムの画像分類モデルを構築できる「Custom Vision Service」が、REST APIでの利用に加えて、iOS 11のCore MLフォーマットへのエクスポートをサポートしました。これによって、iOSアプリケーション内でローカルに画像分類を実行できるようになります。数週間以内に、Androidへのエクスポートもサポートされる予定です。
なお、今年9月に開催されたIgnite 2017で発表済みでしたが、改めて、文章から意図を理解するカスタムモデルを構築できるLanguage Understanding Intelligent Service(LUIS)、およびチャットボットの開発フレームワークであるMicrosoft Bot Frameworkが、年内にGAになること発表されました。
詳細は、ブログポスト「Microsoft Cognitive Services updates for Microsoft Connect」、Microsoft Translator accelerates use of Neural Networks across its offerings、記事「MS、Azure上で作成した機械学習モデルをiOS端末へ展開可能に」をご覧ください。
Azure Machine Learning:Azure IoT Edge、Visual Studio Tools for AI
Azure Machine Learningは、機械学習の開発と実行のためのサービスです。
「Azure IoT Edge」のセクションで紹介したように、Azure Machine LearningモデルをIoT Edgeデバイス上で実行できるようになりました。詳細は、ブログポスト「Artificial Intelligence and Machine Learning on the Cutting Edge」、AI Toolkit for Azure IoT Edgeをご覧ください。
また、今年9月に開催されたIgnite 2017カンファレンスでは、次世代のAzure Machine Learningとともに、それをサポートしたVisual Stuido Code向け拡張機能「Visual Studio Code Tools for AI」が発表され、プレビューがリリースされていました。
今回、Visual Studio向け拡張機能「Visual Studio Tools for AI」が発表され、プレビューがリリースされました。Visual Studio Tools for AIを使うと、Visual Studio上で、CNTK(Microsoft Cognitive Toolkit)、TensorFlow、Theano、Keras、Caffe2など深層学習フレームワークのモデルの開発、トレーニング、デバッグ、デプロイが可能になります。ローカルでトレーニングを実行することや、(Azure上のGPUインスタンスなどの)リモートのLinuxマシン、深層学習のトレーニングサービス「Azure Batch AI」などにトレーニングジョブを送信することもできます。
詳細は、ブログポスト「Expanding AI tools and resources for developers and data scientists on Azure」、The Latest in Developer Productivity and App Experiencesをご覧ください。
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データベース、IoT、AI関連サービスのアップデートを紹介する前編は、ここまでです。後編では、アプリケーションプラットフォーム、IaaS関連のアップデートを紹介します。
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