レーザー干渉計は
ノイズ除去が課題
レーザー干渉計は仕組みはシンプルだが、ノイズ除去が課題となるため、KAGRAでは防振技術や冷却技術などにより、その精度を高めている。主なノイズ源は、地面振動と残留ガス雑音、レーザー周波数雑音、強度雑音、ビーム出射方向揺らぎ雑音、散乱光雑音、鏡の熱雑音、鏡の振り子の熱雑音、制御雑音、電気雑音、音響雑音と多い。
鏡の熱雑音は、サファイア製の鏡をマイナス253度まで冷却して対応している。そのため、サファイア製ガラスはクライオスタット内に格納され、さらに極低温防振システムにぶら下がった状態にある。
超低損失サファイアミラーのテストモデル。実装されるサファイヤミラーは直径22cm、厚さ15cmの単結晶。表面の粗さは約1オングストロームで、表面は反射時の散乱などを抑えるために鏡面は半径1900mの球面形状でもある。単結晶サファイア鏡としては世界最大とのこと
極低温防振システムは、常温低周波防振システムともつながっており、巨大な振り子の作りだ。これがYアームとXアームのフロントとエンドに計4基用意されている。
クライオスタットの開発には、KEK超伝導・低温工学センターが協力しており、ロゴをあちこちで見かけた。なお国立天文台や80以上の世界各国の大学も研究に参加している。
Xアームのフロント
左のパネルが防振システムの全容。常温低周波防振システムは高さ14mとある
ビームスプリッター用防振システムの全容。多段方式で共振や地面からの振動を抑制している。地面振動は100億分の1にまでカットが要求されるそうだ
システムにマウント途中の折り返し用鏡を見ることもできた。赤い部分でミラー部をマスクしている状態だ
なるべくクリーンルーム内で筆記用具を使わないように、タブレットを増やしているそうだ
螺旋階段で常温低周波防振システムのてっぺんに向かうところ
常温低周波防振システムの頂部
いくつか湧き水の漏れるポイントがあるようで、簡易排水機能付きのバケツもあった
常温低周波防振システム頂部からは外部通路から中央実験室に戻ることもできる。三菱製除湿器の現地改修バージョンも
山中にあるため、湧き水対策はもちろんだが、除湿に加えて、ISO Class 1のクリーン環境を生成する必要もあり、KOKEN製のクリーンフィルター(KOACH)がドカドカと並んでいた
中央実験室で見かけたNEC LAVIE ZEROシリーズ。その下にあるノートPCの詳細は不明