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ライザー式科学掘削船「ちきゅう」内部を少し見てきた

2015年12月27日 17時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax

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 自分の足下には何があるのか。地球の中心に掘り進んでいくと何があるのか。深海と並んで、宇宙だけでなく、地中もいまだ謎ばかりだ。

 世の中の大半がわからないことだらけではあるが、そういった謎を解き明かそうとする動きは、歴史を振り返ってみても長く続いている。ただそういった研究は、いったい何の役に立つのかわかりにくい。

 たとえば、電子の発見。理論化された1875年、そして発見された1897年当時は、同じように役に立つのかと疑問視されたが、現在の社会を見ると必要不可欠なものだ。

 またそれ単体が役に立つというよりは、ひとつの技術になったときに、スマホのようにテクノロジーの集合体として役に立つものが生まれる。といったこともあり、ASCII.jpでは、ときどき先端科学や研究といったものを追いかけているわけだ。

 そんなわけで、今回はライザー式科学掘削船「ちきゅう」を取材した。マントルを目指す、巨大な船である。

5年ぶりの一般公開前に取材

 「ちきゅう」は、活動の場を洋上としているため、港に接舷しているのはメンテナンスのときが主になる。それに合わせて、2015年11月に関東では10年振りの一般公開が行なわれた。

 その前日にはプレス向けの公開があり、一般公開では立ち入りできないところへ入ることができたので、今回はその様子をお伝えしていこう。

タラップをてけてけ登って乗船

 ご存じ読者もいると思うが「ちきゅう」について、おさらいしておこう。全長210m、幅38m、深さ16.2m、喫水9.2m、国際総トン数5万6752トン、航海速力12ノット、後続距離1万4800マイル、定員200名。推進システムにはディーゼル電気推進を採用している。実は生で見るのは、初めてだったのだが、単純に「でかいなぁ」と思うばかりだった。

 「ちきゅう」の目的は、国際深海科学掘削計画の主力船として、マントルへの到達に挑むだけでなく、巨大地震発生のしくみ、生命の起源などを探る目的もある。

巨大なため、サイズ感を飲み込むまでに時間がかった

 掘削能力は海底下から7500mとあり、これもまたイメージしにくいが、一脚や自撮り棒を伸縮するような感じで「ちきゅう」中央部にあるやぐら「デリック」からライザーを下ろしていく。ライザー1本あたり長さ27m、内径533mm、重量約27トン。ライザー内部に直径140mm、長さ9.5mのドリルパイプをつなげて、大深度を目指している。

 2012年4月27日には、海面からの深度7740mの到達を実現。気になるのは洋上でどう船体位置を固定しているか。船首のサイドスラスターと船首・船尾にそれぞれ3基のアジマススラスタで実現している。アジマススラスタは直径4m、水平軸360度の方向転換が可能なものだ。

 取材時には、「老朽船になる前にマントルの生サンプルを採取をしたい」と語っていた。船としてみると、2001年起工、2005年に竣工しており、年齢を考えるとあと10年以内のマントルの生サンプル採取を狙うといったところだろうか。

 さてプレス向けの取材はデリック内部。そこだけだったので、写真中心で見ていこう。

プレス向けの見学ゾーンはデリックだった。一番上までは上れなかったデリックは、海面から121mになる。遠くから見てよく目立つ部分だ
ライザーを下ろす部分までは到達できなかったが、ほぼ真下から見るデリックはただの鉄塔だったパイプトランスファーシステム。長さ9.5mのドリルパイプを運搬するためのもの
取材時にはパワースイベルが目の前にあった。これはドリルパイプを回転させるためのモーターだ
パワースイベルは、長さ1万mのドリルパイプを吊り下げたまま回転させる性能があるというライザーやドリルパイプを通すための穴
パイプラッカーという、パイプをつかむための大型マニュピレーター
パイプラック。調査中はパイプが山積みとのことだが、取材時は写真の通りだった少し細いパイプがドリルパイプ
ドリルビット。地質に合わせて交換するため、いくつか種類があるそうだ。掘削する過程でビッドが寿命を迎えたら、1度引き上げて交換。また下ろすというフローになる。ビッドについては、掘削に直結する部分でもあるため、常に課題としてあるそうだ

(→次ページヘ続く 「見ているだけでワクワクする写真を多数掲載」)

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