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モダンワークプレイスからMR、サーバーレス、量子コンピュータまで

MSの最新テクノロジー全部乗せ、満腹の「Tech Summit 2017」基調講演

2017年11月10日 13時00分更新

文● 羽野三千世/TECH.ASCII.jp

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DevOpsツール「Visual Studio Team Services」の魅力とは

 “I LOVE WRITING CODE”と大きく印字されたTシャツを着て登場した日本マイクロソフト 業務執行役員 コマーシャルソフトウェアエンジニアリング本部長のドリュー・ロビンス氏は、DevOpsパイプラインツールとしての「Visual Studio Team Services」の魅力を語った。

「I LOVE WRITING CODE」だというドリュー・ロビンス氏

 アプリケーション開発においてDevOpsが必要になってきた背景について、ロビンス氏は、「ソフトウェアは、従来のモノリシックな製品からモジュール化されたアプリケーションの組み合わせに変化している。このようなモダンアプリの開発は、カスタムロジックではなく、共通のデータモデルを再利用しながら必要なコードだけを書いていく」と説明。開発チーム内で、コードを再利用できる形で管理し、ビルド、テストするサイクルを回すためにDevOpsが重要だとした。

 Visual Studio Team Servicesは、開発の進捗管理やコードレポジトリなどのチーム開発支援機能に加えて、アプリケーションのコードが変更されると自動的にコンパイル・テストを実行する機能などを備えており、コードのビルド・展開から、テスト、ビルドの正常性モニタリング、テストに合格したコードのレポジトリ登録までの開発パイプラインをつくって自動化できる。「パイプラインで使用する自動化ツールやテストツールは、OSSも含めて柔軟に入れ替えることができる」(ロビンス氏)。

Visual Studio Team Services

NAVITIME Travelアプリが「Cosmos DB+Azure Functions」を実装

 Azureの最新機能を組み合わせたアプリケーション実装の事例として、NoSQLデータベースサービス「Azure Cosmos DB」と、サーバーレスアプリケーションをホストする「Azure Functions」を採用したナビタイムジャパンの観光ガイドアプリ「NAVITIME Travel」が紹介された。

 NAVITIME Travelは東京を訪れる旅行者向けのアプリで、グルメ・お土産・宿泊施設などの情報配信や、行きたいスポットまでのルート検索サービスを提供する。また、Microsoft Cognitive Servicesを使ったチャットボットを実装しており、「お蕎麦が食べたいとチャットするとお店を検索する」、「城の写真をボットにわたすと画像認識して名称を回答する」、「スイーツの画像からそれが食べられるお店を検索する」といった機能を提供している。

 NAVITIME Travelでは、ユーザーとボットの会話ログをCosmos DBに収集しており、Power BIで可視化してサービス改善に活用している。さらに、チャット上でユーザーが「間違っている」という趣旨のコメントをした際、Cosmos DBからイベントを発行し、開発チームのSlackに通知するサーバーレスの仕組みをAzure Functionsを使って構築している。この、Cosmos DBとAzure Functionsによるサーバーレスの仕組みは、10月の「Microsoft Ignite 2017」で発表されたばかりの新機能だ。

「Cosmos DB+Azure Functions」でユーザーからの間違いの指摘をSlackに通知

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