山根博士の海外モバイル通信 第366回
Sペン付きWindows PCも出すなど攻めの姿勢のサムスン
実は「Galaxy Note8」は、2013年にすでに発売されていた
2017年11月02日 10時00分更新
6.3型の大型スリムディスプレーにペンで自在に書き込みができる「Galaxy Note8」。過去のNoteシリーズの集大成とも言える完成度の高いスマートフォンです。初代のNoteが登場したのは2011年。この6年間で大きく進化を遂げました。
ところが、過去に同じ「8」の製品名をつけたものがGalaxy Noteシリーズにありました。それが2013年発売の「GALAXY Note 8.0」です。当時の「Galaxy」の正式なつづりは大文字でしたね。このGALAXY Note 8.0はディスプレーサイズが8型。そこから8.0と名付けられた製品でした。
初代Noteからワコムの技術を使った「Sペン」をブラッシュアップ
初代の「GALAXY Note」は2011年9月のIFA 2011で発表されました。当時としては巨大な5.3型ディスプレーは片手持ちがやや困難だったものの、ワコムの技術を利用した内蔵スタイラスペン「Sペン」の書き心地はよく、サードパーティー各社が出していたスタイラスペンよりも使い勝手の高いものでした。
Sペンの性能に気を良くしたことからか、翌年の2012年夏には「GALAXY Note 10.1」が登場します。当時はNoteシリーズはニッチ向けということもあったのでしょう。Sペン搭載のタブレットは単純にディスプレーサイズを製品名につけたのでした。
そして、2012年9月のIFA 2012で登場したのが「GALAXY Note II」。ディスプレーは5.5型とさらに大型化し、「ファブレット」という言葉もメジャーなものになりました。
大きい画面はメモが取りやすいだけではなく、写真や動画などコンテンツの閲覧にも適していました。Noteシリーズはここからヒット街道をひた走ることになります。
手帳ではなく実物の紙がライバル
翌2013年の秋が近づくと当然のように「GALAXY Note 3」への期待が高まります。そんな状況の中、2013年夏に発売になったのがGALAXY Note 8.0だったのです。
A5程度の大きさの画面にSペンを使ってメモが書ければ、ペーパーレス化も夢ではありません。ファブレットのNoteが手帳なら、Note 8.0は紙のノートを置き換えることも意識した製品だったのです。
GALAXY Note 8.0の本体サイズは210.8×135.9×8mm。ディスプレーサイズに対して、ベゼルの幅がかなりありますが、これはNote 8.0を左手で持ちながら、右手でペンを使うことを考えてのもの。
ベゼルが薄かったり、ベゼルレスではディスプレーの左側を手が隠してしまい、画面いっぱいにSペンを使って書き込むことが難しくなります。あえてベゼルに幅を持たせたデザインになっているのです。
GALAXY Note 8.0はWi-Fi版、3G版、LTE版と3つのバリエーションが販売されました。翌年には12.2型の「GALAXY Note Pro 12.2」も登場しますが、その後は画面サイズを名前に付したNoteはなくなり、現在は「Galaxy Tab with S Pen」のような名称になっています。
また、日本でも発売が決まったWindowsタブレット「Galaxy Book」は、ペン操作が前提となっているので、製品名にはわざわざ「with S Pen」とは付けられていません。
こうやって振り返ると、Galaxy Noteシリーズも多数の製品が展開されてきたことがわかります。試行錯誤を繰り返しながらSペンの使い勝手も改良され、Galaxy Note8は最強のペン端末と言える製品にまとまっています。Galaxy Note8に加えGalaxy Bookが登場するこの冬、店頭でSペンの使い心地をぜひ試してみてください。
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