サイボウズ社が提供しているウェブサービス「kintone」は、一言で言うなら「簡単に自社の業務に適したシステムを作成できるクラウドサービス」だ。業務アプリを直感的に作成できるほか、社内SNSとしての機能も備えスピーディーに情報共有ができるなど魅力が盛り沢山だ。
本連載では、そんなkintoneの導入から基本機能の紹介、そしてアプリの活用法など、ビジネスの現場で役立つ情報を取り上げていく。第22回では、CSVの入出力なしにレコードをまとめて更新してみる。
特定のフィールドの値をまとめて変更するには
kintoneに登録している複数のレコードのうち、特定のフィールドの値をまとめて変更したいことがある。たとえば、案件管理アプリで異動により担当者を変更したり、商品の価格改定により、まとめて価格を変更したい時などだ。本来であれば、CSVファイルに書き出してから、エクセルなどでフィールドの値を変更し、もう一度CSVファイルを読み込むと行った手順が必要になる。
そんな時、プラグインを利用すれば、kintone内で一括更新できる。プラグインの導入については前回(第21回 LINEみたいな「kintoneスタンプ」!? プラグインでアプリを機能強化)を参照してほしい。
今回利用するのは、株式会社ジョイゾーが公開している「レコード一括更新プラグイン」だ。有料のプラグインだが、30日間の無料お試し版が用意されている。まずは、試用を申し込んでみる。連絡先やkintoneのサブドメイン、利用したいプラグインを選択して送信する。翌日にコードが届いたので、早速試してみた。
メールにダウンロードURLが記載されているので、プラグインをダウンロード。kintoneのプラグイン設定画面から、ZIPファイルごと読み込んでおく。
続けて、プラグインを利用したいアプリを開き、設定の「プラグイン」から「レコード一括更新プラグイン」を追加。すると、「必須項目が設定されていません」と表示されるので、「設定」アイコンをタップする。ここで、メールで送られてきたライセンスキーと一括更新を許可するユーザーを指定する。
ユーザー名はkintoneのログイン名を入力すればいい。所属組織は、組織名ではなくkintoneに登録した組織コードを入力すること。間違えても特にエラーなどは出ず、プラグインが有効にならないだけなので注意すること。
きちんと設定できれば、30日間の試用がスタート。許可したユーザーの画面に「一括更新」というボタンが現れるはずだ。
今回は、「アフターフォロー管理」アプリに登録されている担当者名を変更してみる。あるユーザーが異動になり、別のユーザーにまとめて変更するという想定だ。まずは、変更するユーザーを絞り込んで表示する。続けて「一括更新」ボタンをクリックし、フィールドを選択し、ユーザーを入力すればいい。「一括更新を実行します」というダイアログが出るので「更新する」をクリックすればいい。このダイアログに表示されているように、念のためにCSVファイルにバックアップしておくと、トラブルの際に復旧できる。
更新が完了すると、絞り込んでいる画面には何も表示されなくなるはず。「すべて表示」を選択すれば、ユーザーがまとめて変更されていることを確認できる。
株式会社ジョイゾーは、「レコード一括更新プラグイン」以外にも多数のプラグインを公開している。30日間の無料試用が終わったら、月額3000円(税別)がかかる。年払いなら1ヵ月分割安になる。また、プラグインを3つ契約するなら、9000円のところ6000円/月(税別)で済む「プラグインパック3」もお得だ。
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