スマートフォンからステレオミニジャックが消えつつある今、伸び盛りの製品カテゴリー「トゥルーワイヤレスイヤフォン」。しかし新しいカテゴリーゆえ、なかなか選びどころがわからない。
そこでトゥルーワイヤレスイヤフォンにはどんな製品があるのか、価格帯別に概観してみよう。というのがこの稿のテーマ。2017年6月末までに発売された製品レビューのまとめである。
価格はe☆イヤホンの販売価格を参考につつ、抜税価格でアンダー1万円(0-9999円)、1万円台(1万-1万9999円)、2万円オーバー(2万-∞)の3クラスに分けた。価格の違いはどこに現れるのか、予算に応じてなにを基準に選べばいいのか。レビューワーである私個人も、それが知りたかった。
初回は、アンダー1万円クラス。低価格化がトレンドとはいえ、この価格帯の製品は、まだ数えるほどしかない。実際、我々がテストできたのは3機種だけ。しかし、それぞれ見どころがあっておもしろい。
今回のテスト機種
ERATO Rio3 9880円(税込1万670円)
VAVA MOOV 20(VA-BH001) 9259円(税込9999円)
GRDE S-E6 4612円(税込4980円)
アンダー1万円は「Amazonチャレンジクラス」
先に「この価格帯の製品は数えるほどしかない」と書いたが、これは日本国内に代理店がある製品に限ったこと。Amazonをはじめとする通販サイトでは、同価格帯の製品が山のようにある。むしろ1万円を超えるようなものはまれで、中には2000円を切るようなものまであるから驚きだ。
オーディオ専門媒体ならともかく、IT系の媒体としてはそうした製品も試してみなければ片手落ちというものだろう。だが、多くが中国製の通販専売品ゆえ、日本語の説明文がおかしかったり、どう見てもまったく同じ製品にしか見えないものが、まったく別のブランドと商品名で売られていたりすることもある。いろいろ怪しい。
しかし、モノの良し悪しとは関係ないはず。で、いくつか買ってみた。その結果を言うなら、一か八かだ。当たりハズレが大きすぎる。それは決して品質の問題ではない。
トゥルーワイヤレスイヤフォンはBluetoothを利用したオーディオ機器なので、国内で使用するには日本の技適証明を得ている必要がある。しかし、手続きをとっていないものが結構あるのだ。
ちなみに技適マークのない製品を売っても、売る側の違法性は問われない。違法になるのは実際に使った人、つまり末端の消費者である。なんだか理不尽な話だが、そういう決まりなので仕方がない。
通販専売品の場合は、そのリスクを承知の上で買わけなればならない。ゆえに、この価格帯を「Amazonチャレンジクラス」と呼びたい。
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