2048段階の筆圧感知!
使用の準備が整ったら早速使ってみよう。
本体には操作エリアがわかるように四隅にマーカーがついている。この範囲内なら、どこでもペンで操作できるようになっている。反対に、この範囲外なら誤って触ってしまっても誤操作の心配はなく、ペンや手を休ませるパームレストのようにしてもいい。
任意のペイントソフトを立ち上げ、目的の筆先を選択したら、あとは普通のペンのように操作範囲内で描画するだけだ。初めの内は、ペンの動きに違和感を覚えるかもしれないが、すぐになれるだろう。機構が単純な分レイテンシーは少なく、またわずかにざらっとした表面のおかげで絶妙なアナログ感があるのもポイント。
ソフトウェア上でペンの種類や色を変えるときは、PC本体のトラックパッドやマウスを併用しても問題ないが、本製品をそのままマウスのように扱うこともできる。
ペン先をパッドに密着させず、わずかに浮かせて移動させるとマウスポインターの移動、サイドボタンの上側を押せばダブルクリックだ。なお、サイドボタンの役割はWindowsの場合タスクバーに表示されているアイコンから、macOSの場合「環境設定」の「tablet」というメニューから設定できるので、使い勝手に合わせて変更するのもいいだろう。ただ使い勝手から言えば、オーソドックスなダブルクリックと右クリックがオススメだ。
本製品の大きな特徴のひとつが2048段階の筆圧感知だ。筆圧感知とは、ペンがパッドに触れた強さをどのくらいの段階を踏んで感知するかということで、高ければ高いほど、アナログに近い滑らかな使用感を得られると考えていい。
2048段階といえば、一部の高級機を除いて、現在も多くのペンタブレットに一般的に採用されているレベルである。つまり、本製品は安価ながらペンタブレットの根本の部分は高いレベルを実現しているということになる。
下の図を見て欲しい。Photoshop CCを用い、太さ15pxのブラシで強弱をつけて何本かの線を描いてみた。アナログのペンのように、筆致の強さがきちんと表現できているのがわかるだろうか。
Point!
記事では太さ30pxのブラシ、硬さ60%の設定で線を描画している。細ければ細いほど払いなどのニュアンスは出しにくいが、緻密な描画が可能になる。
制作したいイラストに応じて今見の設定にペンを設定してみよう。記事で使ったPhotoshop CCでは、ペンだけでなく鉛筆や、マーカー、筆といった筆先を選択することも可能だ。
こちらは簡単なイラストを描いてみたもの。手書きと同じように、払いなどのニュアンスが手軽に出せるのはペンタブレット導入のメリットだ。
一歩進んだ使い方として、Photoshop CCなど、細かい作業が要求されるソフトウェアのレタッチに活用するのもいい。特に、ブラシやコピーツールを使っての写真のレタッチは、トラックパッドやマウスで作業するより、より緻密な作業が可能になる。イラストだけでなく、レタッチ用ツールとしての導入もおすすめだ。
個人利用のほか、事務所設備としても!
描画できる範囲は小さめで、高度な機能は特に設けていないものの、ペンタブレットしての基本的な性能が必要十分で、またインテリアにも自然に溶け込むデザインの本製品は、ペンタブレットの導入を迷っている読者、簡易なイラスト制作環境、マウスやトラックパッドから一歩進んだレタッチ環境を求めている読者などに広くお勧めできる。
「お盆休みで時間もあるし、ちょっと使ってみようかな〜」といったレベルの興味本位で個人所有するのもいいし、シンプルにまとまったデザインは、SOHOや小規模な事務所の設備として大量導入するのにもちょうどいいのではないだろうか。
本製品はプリンストンダイレクトのほか、取り扱い量販店などで販売中。せひ一度チェックしてみよう!

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