今回は、Globalfoundriesの製品ロードマップを解説する。AMDが全面的に製造を委託しているだけに、ここの動向も当然気になるところである。
サムスンと提携し
14LPEと14LPPを提供開始
さてそのGlobalfoundries、AMD FXやAPU世代では28nm SHP(SuperHighPerformance)プロセスをベースに製造していたが、動作周波数は上がるものの消費電力が大きすぎるということで、Carrizzoの世代ではセルライブラリーを7.5/9トラックのものに切り替えて省電力化を図るという、なんとなく本末転倒な結果に陥っていたのは既報のとおり。
Globalfoundriesはこの28nmのSHP以外に28nm HPP(High Performance Plus)と28nm SLP(Super Low Power)の2つのプロセスを提供していたが、AMDはこれらのプロセスでは十分なパフォーマンスは確保できないと判断したのだろう。
Globalfoundriesはこれに続き、20nm LPM(Low Power Mobile)を提供する。ただURLがWayBack Machineというあたりからも分かる通りこの20nm LPMは誰も使ってくれず、結果として同社は2015年にはこの20nm LPMを看板からは外し、代わりに14nmのFinFETプロセスを前面に押し出すことになる。
もっともその14nm FinFET、当初は14XMと呼ばれる独自のものを提供予定だった。当初、この14XMは2014年中旬から提供開始予定としていた。
ところが2014年4月にGlobalFoundriesはサムスンと提携を発表。14XMの提供を中止し、その代わりにサムスンの14LPEと14LPPという2種類のプロセスの提供を開始する。
現実問題として、サムスンはこの当時すでに14LPEの量産を開始しており、その一方でGlobalFoundriesは14XMの量産の発表はなかった。
ただ、AMDを始めいくつかのベンダーが、わりと混乱もなく14LPPでの量産をこの後始めたことを考えると、少なくともサムスンと提携するという発表のだいぶ前に、14XMを捨てて14LPE/14LPPを採用するという決断がなされ、大口の顧客(AMDはその代表だ)に対して説明はしていたと思われる。
それはともかく、ご存知の通りAMDはこの14LPPプロセスを使い、まず2016年にPolaris GPU、そして2017年にZenコア(Ryzen、EPYC)とVegaコア(Radeon Vega Frontier Edition)をすでに発表。
まもなくRadeon RX Vegaも発表する予定なのはご存知の通り。結果から言えば2014年から14nmプロセスを利用したBroadwellを投入したインテルに2年ほど遅れた格好ではあるが、PolarisシリーズやRyzenプロセッサーが潤沢に市場に投入されているのを見る限り、14LPPの歩留まりは良好というGlobalfoundriesの言葉に嘘はないと思われる。
実際、同社の資料によれば、14LPPの欠陥密度は14LPEに比べるとずっと早く収束しており、少なくとも今後も14LPPに関してはあまり心配する必要はないようだ。

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