事例に厚みが増したAWS Summit 2017レポート 第1回
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2017年06月01日 07時00分更新
Sansan:名刺管理アプリ「Eight」のグローバル展開に
Sansan Co-founder Eight事業部 事業部長の塩見賢治氏は、個人向け名刺管理アプリ「Eight」のバックエンドとして採用しているAWSサービス群と、今後の展開について語った。
Eightは、出会った相手の名刺データを取り込み、それを軸としてビジネスパーソン同士をつなぐビジネスプラットフォームである。単に名刺情報を管理するだけでなく、人事情報の変化通知、関連する企業ニュース、メッセージ機能なども備える。
「現在は150万のユーザーがおり、年間で1億枚の名刺が追加される。これは、日本国内で行われる名刺交換の10%に相当する」(塩見氏)
SansanがEightをリリースしたのは2012年のことだが、実はリリースの2カ月前までは、AWSではなく別のクラウドサービスをバックエンドインフラとして利用していたという。
「Eightのリリース直前になって、AWSの東京リージョンが出来た。プロジェクトマネージャーとして非常に悩んだが、AWSがとても優れたサービスであることも理解していた。リリース2カ月前にAWSに切り替え、Eightをスタートした」(塩見氏)
塩見氏は、このときに「非常に良い判断をした、AWSに切り替えておいて本当に良かった」と語る。AWS採用のメリットは多数あるが、あえて3つを挙げるならば「セキュリティ」「可用性」「拡張性」だという。
「名刺データを扱うため、セキュリティ要件は非常に厳しい。AWSならば、その要件をクリアできるシステム構成を作ることができる。また、Eightのサービスを開始して5年が経つが、AWSの障害による大規模なサービス停止は一度もない。さらに、ゼロからスタートして150万ユーザーまで拡大してきたが、その間にシステムの入れ替えは一度も発生していない。インスタンスを増強するだけで、シームレスにスケールアップしてきた」(塩見氏)
加えて、Eightの機能強化は、AWSの新サービス追加に支えられてきたという。たとえば最近では、名刺交換した相手(企業)に関係のありそうなニュースを表示するレコメンデーション機能を、Lambdaを利用して構築したという。
「Eightのバックエンドは、ほとんどAWSのサービスを利用して構築されている。30サービス以上を使っており、AWSのサービスなしには、Eightは今のようにはなっていなかったと言っても過言ではない」(塩見氏)
そのほかに法人向けSansanサービスの一部、Eightのデータ入力システム、同社研究開発部門でも、AWSを活用していると、塩見氏は説明した。
Eightでは今年、海外市場への展開を図っていく計画だという。そのうえで、グローバルにクラウド基盤を持つAWSの存在は「パートナーとして心強い」と述べ、夢の実現に向けて今後もAWSを活用していきたいと締めくくった。
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