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複数AZリージョンとなり、高い耐障害性と低遅延を実現

2021年に大阪のAWSリージョンがフルスペック化 ソニー銀行も活用

2020年01月20日 17時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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 2020年1月20日、アマゾン ウェブ サービスは、2021年に日本で2つ目となる「アジア太平洋リージョン(大阪)(AWS大阪リージョン)」を開設することを発表した。単一AZだった大阪ローカルリージョンを拡張し、複数AZを持つスタンダードなAWSリージョンとして利用できる。

アマゾン ウェブ サービス ジャパン 代表取締役社長 長崎忠雄氏

ローカルリージョンを拡張し、AZを3つに

 AWSは2011年に東京リージョンを開設して以降、2018年2月に大阪のローカルリージョンを開設している。世界で唯一というこのローカルリージョンは、バックアップサイトとしての利用が前提で、単一リージョンでの利用ができなかった。また、通常は複数で構成されるAZ(Availablity Zone)が1つのみ。提供されるサービスもAmazon EC2、Amazon S3、Amazon RDSなど限定的で、EC2のインスタンスタイプも限られていた(オンデマンドインスタンスは提供されない)。

 今回の発表は、2021年にこのローカルリージョンがフルスペックのスタンダードリージョン化されるというもの。単一だったAZは、3つのAZに拡張され、スタンダードリージョンと同等のサービスが利用可能になる。なお、アジア太平洋地域においては、北京、香港、ムンバイ、寧夏、ソウル、シンガポール、シドニー、東京に続く9番目のAWSリージョンとなる。

 複数のAZで構成される大阪リージョンの開設により、リージョン内においても高い耐障害性が確保できるほか、地理的に離れた東京リージョンと大阪リージョンを活用し、異なるワークロードを稼働させたり、アクティブ・アクティブの冗長化構成も容易になる。さらに関西圏のユーザーは地理的に近い大阪リージョンを利用することで、今までより低遅延でサービスにアクセスできるという。

大阪リージョンを採用するソニー銀行はクラウドネイティブ化を推進

 現時点で、大阪リージョンの積極活用を表明している企業としては、関西電力、JCB、コニカミノルタ、三井住友信託銀行、三菱UFJフィナンシャル・グループなどが挙げられている。特に金融機関は、ディザスタリカバリの要件から、大阪リージョン開設の要求が高く、ようやく実現した形だ。今回登壇したソニー銀行も大阪リージョンの利用を表明した金融機関の1社だ。

 ソニー銀行は2013年にAWSの採用を決定し、社内および周辺システムでの利用を開始し、2019年秋に移行を完了している。また、2017年の冬には勘定系の一部である財務会計システムでの採用を決定し、こちらも2019年の秋には本番稼働している。ソニー銀行 執行役員の福嶋達也氏は、「60%のコスト削減につながり、導入期間は少なくとも半分になっている。軽量なシステムは1/4~1/5で済んでいる」と導入効果について語る。

ソニー銀行 執行役員 福嶋達也氏

 ソニー銀行では当初から銀行重要業務も含めたAWSの利用を段階的に拡大するため、FISC安全対策基準の内容や金融機関に求められる信頼性について説明し、国内第二リージョンの開設を強く要望してきたという。また、大阪ローカルリージョンに関しても、財務会計システムのバックアップサイトとしていち早く利用してきた。

 今回の大阪リージョンのフルスペック化を受け、ソニー銀行ではAWSの利用範囲を全業務とする方針を決定しており、勘定系システムの更改方式を検討する。また、社内業務のみならず、銀行業務端末においてAmazon WorkSpacesの全面採用を決定し、今年の夏にはスタートする予定だという。「単に仮想サーバー上に既存のシステムを載せるだけではなく、クラウドネイティブなアーキテクチャで勘定系システムをスクラッチで作る」(福島氏)とのことで、サーバーレスやコンテナの採用も積極的に進めていくという。

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