ボタンを押してカレンダー盤を回転
見たい月のカレンダーが見られる
さて、ブレスレット調整で時間をとってしまったが、ここからは万年カレンダー腕時計の本来の素晴らしい点についてご説明しよう。
まず、「万年カレンダー」という表現だが、本当のところはこの表現は正確ではない。あえて言うなら「マルチイヤーカレンダー」という表現が正しいだろう。
今回筆者が手に入れた万年カレンダー腕時計も、実際に月次のカレンダーを表示できるのは2010~2031年までの20年間だ。
もし、それ以降のカレンダーが必要になれば、オリエント時計ではそれ以降のカレンダーを保守パーツとして販売してくれるらしい。
今日が何日で何曜日であるかは、一般的なカレンダー対応腕時計なら表示できるのが当たり前だ。
しかし、今月のカレンダーの全貌や来月の第三水曜日は何日だったっけ? とか言うことになれば、リーディングエッジプロダクトであるスマートウォッチでも、何回か画面をタップするか話しかけないと簡単には教えてくれない。
昔の人は本当にすごいもので、カレンダー機能のない腕時計でも、腕時計のベルトやブレスレットに巻きつけるアルミ製の「ウォッチバンドカレンダー」なるものを発明している。
万年カレンダー腕時計は、このウォッチバンドカレンダーを巻き付けなくても2031年までの任意の月のカレンダーを見ることのできるスグレモノだ。
前述したように任意のカレンダー月を見るためには2時位置のクリックボタンをプッシュする。1回押すごとに、針の中心軸を支点にして周囲にある白い円盤が左回りに1コマずつ回転する。
たとえば、今月(2017年5月)のカレンダーを見るには、西暦の下二桁である「17」を5月である「MAY」の真下に来るまでプッシュしてカレンダー円盤を回転させる。それだけで2017年5月のカレンダーが文字盤の下半分に扇形に表示される。
曜日の列が可変で移動するために、一般的なカレンダーのように左端が日曜日や月曜日固定となっていないので、当初は違和感を覚えるかもしれないが、2週間ほど使っているうちに筆者は慣れてしまった。
そして来月である2017年6月のカレンダーを見たければ、先ほどと同様、西暦の下二桁である「17」を「JUN」(6月)のところに移動させれば見ることができる。日曜日が週の真ん中に位置してしまったが、日付と曜日の関係は問題ないはずだ。
1月から12月までの月表示の中には、白地が背景の「JAN」と「FEB」が余分にあるが、この2ヵ月は閏年(うるうとし)の1月と2月にだけ使用する調整用のポジションだ。
まだ未確定のようだがオリンピックの年と重なる2020年が、今後、最初にこのポジションを使う年になるかもしれない。
説明がないとカレンダーの設定は難解だが、付属の取説に挟まれている設定方法のメモやオリエント時計のウェブサイトからダウンロードできるPDFを見れば極めて簡単だ。
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