起きた瞬間から作曲ができるように、ベッド脇に機材!
いまではDAWの経験を積み、制作環境にもこだわっているそう。そこで普段使用している機材について質問してみた。
─ちょっと驚いたのですが、U87Ai※も所有していらっしゃるとか?
※ドイツのオーディオメーカーであるノイマンのコンデンサーマイク。大手レコーディングスタジオでも導入するほどの高級機で、流通音源のレコーディングで使われることも多い
「はい。仕事のレコーディング環境に近いものを、自宅でも使いたいと思ったんですよ。調べたら、U87というものだということがわかって。そこからいつもお世話になっている大阪のレコーディングスタジオに相談しました。業界標準のマイクだということがわかったので、『じゃあ、買っても損じゃないよね』と思って」
─決して安い機種ではないです。思い切りがいいですね!
「今思うと『なかなか思い切りがよい買い物だな』って自分でも思います(笑)。声を録るときに緊張してしまうのを治したくて。『普段使っているものを持っていたらスタジオでも緊張しないかもしれない!』という、間違った思い切りだったのかもしれませんが(笑)。でもいい買い物だったと思っています」
─オーディオインターフェースは何を使っているんですか?
「オーディオインターフェースはスタインバーグの『Cl2』をずっと使っていたんですけど、少し前からApollo Twin USBを使い始めました。色々なプリアンプをエミュレートしながらレコーディングできるので、音質がすごくいいんですよ! 私はアナログ音源は主に声を録るだけなので、入力は2つで十分なんです」
─家もレコーディングのできる環境にしているんですよね。
「家を選ぶ段階でも、自分が大きな音を出しても迷惑にならないところを選んでいて。起きた瞬間に仕事ができるように、ベッドのすぐ横にマイクとインターフェースが置いてあって(笑)。始めると、決めたところまでやるまでは終われないタイプなんですよ」
─いま、欲しい機材やプラグインはありますか?
「いまはヘッドフォンが欲しいですね。普段は多くの作業をソニー『MDR-900ST』と『MDR-7506』でしているんですけど、もうちょっとリスニング寄りなものも欲しくて。あとは、スピーカーの下に敷いて、共振を抑えるシートも欲しいです」
小岩井さんの制作環境
普段、声の録音と編集時に使用しているプリセットを教えてもらった。
小岩井「画像の状態はプリセットを読み込んだ段階で、状況に応じてここから追い込んで行きます。EQの周波数に関しては、今の録音環境に合わせている所が大きいのでそこまで触ることは少なく、出す声質によって気になれば変更する程度です」
使用プラグイン:
チャンネル
・Fairchild 670:真空管の温かみを出すために使用、軽くコンプ感も出す
・Nave 1081:録りの環境補正の為に使用
・Vocal Rider:さらにヴォリューム感を揃える為に使用
グループ
・Neve 88RS:主にゲートとして使用、不要なノイズのカット、たまにEQも使用する
・Precision De-Esser:歯擦音の調整用
マスター最終段
・UV22HR:CD音質で書き出す時に使用