山梨から世界へ 起業家の登竜門Mt.Fujiイノベーションキャンプ
シナプテック株式会社の戸田達昭です。今回はMt.Fujiイノベーションキャンプについてご紹介します。
Mt.Fujiイノベーションキャンプは、山梨県内の起業や創業を活性化させることを目的に2014年度から毎年山梨県が実施している事業です。これまでの参加チームはのべ81組、125名にのぼり、年々参加チームが増加し、今では県内のベンチャー企業誰もが知る存在にまで成長しています。
2014年度、2015年度は5日間、2016年度は3日間のプログラムで実施し、山梨の地場産業や特徴を学んでいただく機会や、ビジネスモデルの作り方やプレゼンテーションを学ぶ場、またアイデアブラッシュアップやプレゼンテーション講座を受け、県内外の豪華なメンターや講師陣によるメンタリングを受けていただく場があり、予選会を経て最終日はビジネスプランコンテストでプレゼン、という流れです。
新規事業の実現が30も!
予選会に臨んだ方々は全部で68組、その中から起業や新規事業を生み出し実施しているのは30組ですと、なんと44%になります。
Mt.Fujiイノベーションキャンプの特徴は、キャンプ後のフォローアップであると言えます。イノベーションキャンプの参加をきっかけに、起業家の仲間たちや素晴らしいメンターや支援者、支援機関との出会いも手伝ってこの数を実現しているのではないかと思います。
私もそのひとりでして、ガッツリとサポートしますし、いっしょに営業や資金調達の交渉にも参加しています。支援という立ち位置ではなく、ビジネスパートナーですね。
起業家にはチームが必要ですから、チームビルディングはとっても大切なことですよね。イベントで終わらないところがMt.Fujiイノベーションキャンプの特徴です。
2016年度からの仕掛けた“協創部門”
Mt.Fujiイノベーションキャンプは山梨県内に軸足を置きつつも、日本を世界を元気にする仕掛けとするために、事業の対象を新規の起業だけではなく、既存企業による新規事業創出にも注力をしているところが特徴的です。
そのアプローチとして、スタートアップと既存の中小企業、大企業との協創部門を用意しました。大企業の皆様から興味関心のあるテーマをあらかじめいただき、コラボレーションの提案をぶつけます。ただユニークなのは、会期中は大企業の担当者様も提案者(参加者)もいっしょに時間を過ごしているので、事前に相談やブラッシュアップが出来ます。それをもってプレゼンに臨みますので、ある程度方向性も修正できますし、精度も上がることが期待できます。
まさに、協働による創造=協創です。双方に気づきのあるイノベーティブな場が形成されています。2016年度からの仕掛けですので、どのようなコラボレーションが生まれてくるか、楽しみです。
山梨から世界へ挑むために、“仕掛けの連携”
「山梨から世界へ!」と言っているだけでは実現が難しいので、強力なパートナー様と連携をしています。そのひとつの仕掛けが、NTTデータが年2回開催する“豊洲の港からpresents オープンイノベーションビジネスコンテスト”です。
なんと2016年度の参加者である、アルステクネとVRCのタッグが「世界の文化財、高品位Versatile Digital archiveと、広域活用事業のご提案」というテーマで、同コンテストにチャレンジしたところ、東京選考会でWinnerとなり、世界9ヵ国10都市からのWinnerが参加するグランドフィナーレに進出しました。2社は今後、NTTデータと具体的なビジネス検討を進めていくことになります。
今後も、Mt.Fujiイノベーションキャンプを通してブラッシュアップされ、パワーアップしたスタートアップを世界でビジネスに取り組む大企業のオープンイノベーションの取り組みに接続していくことで、スタートアップエコシステムの構築に取り組んでいきます。
それぞれが補完しあっていくことで効果も高まりますので、こういった仕掛けどうしの連携も重要ですよね。
戸田達昭(シナプテック代表取締役CEO、Mt.Fujiイノベーションエンジン理事兼事務局長)
1983年 静岡県藤枝市生まれ。山梨大学大学院在学中に起業した山梨県初の学生起業家。同大学卒業時の2008年にバイオベンチャー企業“シナプテック株式会社”を設立し、代表取締役に就任。バイオやエネルギー分野を中心とした事業に取り組む。一方で産学官民協働による地域づくりに取組み、2011年には文部科学省第6期中央教育審議会生涯学習分科会委員を務め、現在も多数の教育関連機関や地域市民団体の代表や委員を務める。また、地域を支える人材や産業育成を行うため、2014年より本格的に山梨県をベースとした起業創業、新規事業創出の活性化に力を注いでおり、Mt.Fujiイノベーションキャンプ(山梨県事業)の企画運営を行い、現在はアクセラレーターとしても活動中。
●お知らせ
Mt.Fujiイノベーションエンジンでは、STERRA Yamanashiや関連機関の場所を活用して3月、4月、6月、8月、10月、12月にさまざまなテーマでのセミナーを企画しております。随時更新をいたしますので公式ウェブサイトをご覧ください。一方で、Mt.Fujiイノベーションエンジンはまだまだ始動したばかりですので、コラボレーション企画を大募集しております。お気軽にお声がけください。