実は、冬の寒い日、テレビ番組のロケを熱海で行ったのである。
以前、この連載で掲載した熱海の漁港猫の写真を見たテレビ局から話があり、熱海での猫撮影の様子を撮影されたのだ。
今回はその話。
さすがにテレビ収録中にカメラが壊れたとか落としたとかバッテリー切れたとかは恥ずかしいので、万全を期してオリンパスの前のフラッグシップモデル「OM-D E-M1」と、富士フイルムのハイクラスモデル「X-T2」のミラーレス一眼2台体制。
こういうときレンズを共有できる同じマウントのカメラを2台って人が多いと思うけど、違うテイストのカメラを用意したくなるのはまあ性格の問題か。
ひとりでふらっと猫を撮りにいくときとは違い、数人のテレビカメラを持ったスタッフが一緒だと猫も目線がキョロキョロと定まらない様子。そうだよねえ。
その漁港はスタッフから「こんなとこにほんとにあるんですか?」という声があがるような場所にある。私有地なので勝手には入れないのも猫的には良い場所だ(もちろんあらかじめ許可をとっております)。
漁港に入るといきなり軒の上に猫(冒頭写真)。
そこにいるとわかってても最初の1匹に出会うまではドキドキしますな。
冬の日差しが当たって気持ちいいのか軒の上に2匹の猫が。いや2匹とも上を向いてると思ったら、上にも2匹隠れてた。
耳だけしか見えてないけど猫の視線を追うとわかる。
気になったのは、以前訪れた時にいっぱいいた子猫たち。あのときはちょうど子猫がたくさん生まれてて、とてもフォトジェニックだったのだ。
彼らは無事オトナになったろうか。ちょっと心配したんだが、もしかして、このふさふさのミケ系猫は昔子猫だったアイツじゃないか?
って言われても困るよな。当時この連載で掲載した写真をここでもう一度。撮影場所は同じ漁港だ。
なんか似てません? よく見ると左前足に茶色がはいってたり、鼻の右側が少し黒かったり、おでこが茶色のハチワレぎみで少し黒がまじってたり。
顔つきが変わってすっかり貫禄を身につけちゃってるけど、同じ猫なんじゃないかと思う。でなければ、兄弟か親子だ。
だとしたらうれしいですな。無事生き延びてて。
何しろ漁港である。桟橋を自由に行き来するのである。
漁港のおじさんに「猫は海に落ちたりしないの?」と聞いてみると、「ああ、よく落ちるみたいだよ」と言う。
え、大丈夫なんだろか。
すぐに這い上がってくるけど、冬のように寒い日はそれで死んじゃうこともあるようだ。漁港の人も常時猫を見てるわけじゃないので、近くにいないときに海に落ちたりされたら助けようもないしね。
まあそんな放任されてる環境が猫的にも気楽でいいんだろう。
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