スペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2017」(MWC)には、今年もクアルコムが大型ブースを出展。その中でも、急速充電の「Quick Charge」コーナーには、最新の「Quick Charge 4」対応充電器が展示されていました。
注目したいのは、Quick Charge 4では「USB PD」との互換性が確保されている点です。
「Quick Charge 4」充電器が登場
展示されていたのは、カリフォルニア州を拠点とするPureGear社によるウォールチャージャー。何の変哲もない充電器に見えますが、Quick Charge 4のロゴが入っていることがわかります。
充電器側のポートはUSB Type-Cであることから、両端がUSB Type-Cコネクターのケーブルで、スマートフォンなどを接続することになりそうです。
Quick Charge 4の特徴として「5分間の充電でスマホの通話時間を5時間伸ばせる」「Quick Charge 3.0より20%高速に、30%効率よく充電できる」といった点があり、確実に進化しています。
もっとも注目すべきは、USB PDとの互換性が確保された点でしょう。クアルコムブースの担当者によれば、「Quick Charge 4はUSB PDと100%の互換性があり、この充電器でUSB PDデバイスも充電できる」とのこと。
これまで両者の間には互換性がなく、Quick Charge対応が主流のAndroidスマートフォンと、USB標準規格であるUSB PDを推進したいグーグルなどとの間に対立がありましたが、それが解消に向かっていきそうです。
QC4対応端末はこれから?
Quick Charge 4の充電器は登場したものの、クアルコムブースでいつも披露されている急速充電のデモは見当たりません。その理由は「対応端末がまだない」(クアルコム担当者)ためです。
たしかにQuick Charge 4は、Snapdragon 835でサポートされています。そして、ソニーモバイルはSnapdragon 835搭載の「Xperia XZ Premium」をMWC 2017で発表したばかりです。
しかし、XZ Premiumのスペック上はQuick Charge 3.0にとどまっています。現時点では充電器がないとか、動作検証が間に合っていないなどの理由で、Quick Charge 4には対応できていないと考えられます。
このように、現時点では「Snapdragon 835搭載機だからといって、必ずしもQuick Charge 4が使えるとは限らない」という奥歯に物が挟まったような言い方になってしまいますが、実際に835搭載スマホが発売される頃には状況も変わってくるでしょう。
この連載の記事
-
第40回
スマホ
Ubuntu Touch搭載スマホの新機種は当面無し コミュニティーによるポーティングが中心へ -
第39回
スマホ
ファーウェイとボーダフォン、アウディの「コネクテッド・カー」に乗った! -
第38回
デジタル
これからはIoTもターゲット! ランサムウェア、ゴーストアプリを警告するIntel Security -
第37回
スマホ
ファーウェイ呉氏に聞く、「日本のSIMフリー市場は一気に加速」「iPhoneのFelica搭載はAndroidメーカーに脅威」 -
第36回
スマホ
AndroidタブレットからWindowsタブレットへと移行が進む3つの理由 -
第34回
スマホ
MWCに登場のNetflix CEO、あくまで重要なのはコンテンツ、200kbpsでも映像を楽しめる技術を開発する -
第33回
デジタル
淡いブルーが物欲を刺激する「Xperia XZs」や低価格のXA1シリーズをフォトレビュー -
第32回
スマホ
SIMカード不要でデータ通信できる「eSIM」搭載スマホが続々登場 -
第30回
デジタル
4K&鏡面仕上げが復活!「Xperia XZ Premium」を写真でじっくり見る! -
第29回
スマホ
Gioneeが発表のダブルレンズ+イン20メガの最強セルフィー機「A1 Plus」に注目! - この連載の一覧へ