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ユーザーコミュニティ「kintone Café」活動レポート 第5回

参加者の敷居を下げる「女子会」という魔法の言葉

初心者・非ITでも気軽に参加できる「kintone Café 関東女子会」始動

2017年01月31日 07時00分更新

文● 重森大

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後半セッションではデモたっぷりで具体的な使い方を紹介

 休憩後はサイボウズの三宅 智子さんが登壇。三宅さんはサイボウズ社員だが、この日はあくまでもkintoneのいちユーザーとして参加したとのこと。ユーザーの立場から、自社での活用例を紹介した。サイボウズ社内ではいくつかのアプリが使われているが、その中から「わくわくFAQ」と「お弁当掲示」、さらに参加者の希望で「案内ポータル」がピックアップされた。

サイボウズ 三宅 智子さん

 「わくわくFAQは、社内手続きに関するFAQです。社内でわからないことがあれば、まずここにアクセスして調べます。それでもわからない場合は総務に相談するのですが、FAQで解決することが多いので総務の負担軽減に役立っています。お弁当掲示は、出入りのお弁当屋さんへの発注を取りまとめるためのアプリで、社員は毎朝ここをチェックしてランチを注文します」(三宅さん)

スライドも普段のサイボウズテンプレートではなく女子会仕様にかわいいものを選んだ三宅さん

 わくわくFAQは、ライフイベントや業務内容などいくつかの軸でカテゴリ分けされている。ひとつのトピックに対して5つまでカテゴリを指定できるようになっており、複数のパターンで目的の情報にたどり着けるよう工夫されている。掲載されている情報は、結婚したら必要な手続きや来客へのゲストID発行手順、オフィススペースを使ってイベントを開催する際のToDoリストなど多岐に渡っている。

 お弁当掲示の方は、名前から想像するそのままの機能。面白いのは、コミュニケーション機能が備わっている点だ。「大盛りを頼んだのに小盛りしか残っていませんでした。誰か間違えて大盛りを持って行きませんでしたか」などというやりとりが展開されているらしい。また新入社員が毎日1コンテンツ投稿するという決まりがあり、そのコンテンツを見るためにお弁当屋掲示を開かせることでランチの注文忘れを防いでいるとのこと。

いくつも使われているアプリをの中からワクワクFAQ、お弁当掲示、案内ポータルが紹介された

 参加者の目に留まった案内ポータルは、よく使われるアプリへのショートカット集といった役割。活用が進むとアプリが増え、目的のアプリを探すのが大変になるので、こうしたポータルが役に立つのだという。

 一通り活用例を紹介したうえで、最後に三宅さんはkintoneは便利だけど万能ではないとも付け加えた。

「手軽さ、シンプルさを優先しているので、苦手なこともいろいろあります。たとえばメール送信や帳票出力などはkintone単体ではできません。その代わり連携サービスが各社からリリースされているので、それらと組み合わせて自社に合わせた使い方を工夫してください」(三宅さん)

 休憩時間にはお菓子に手を伸ばしていた参加者たちだが、セッションが始まるとその手も止まり、正面のスクリーンを真剣に見つめ始めた。かなり意欲の高い参加者が集まっていたようだ。

 三宅さんのセッションの後、トリを飾ったのはジョイゾーの四宮 琴絵さん。ここまでの紹介を受けたデモンストレーションだ。顧客管理アプリをつくり、そこに入力されたデータを参照しながら入力できる案件管理アプリをその場で作って見せた。

「kintoneではルックアップ機能を使って、他のデータベースからデータを呼び出すことができます。なので、こうして簡単にアプリ同士を結びつけてデータを使うことができます」(四宮さん)

ジョイゾー 四宮 琴絵さん

 参加者からは「参照元のデータベースが変更された場合はコピー先も自動的に更新されるのか」という質問があったが、kintoneのルックアップ機能はコピー時の情報を書き込むものであり、参照元のデータと連動してはいない。コピー当時の情報が残る方がいいという要望と自動的に更新してほしいという要望とがあり、現状では自動的には連動しないようになっているとのこと。連動させたい場合はバッチ処理などで対応してほしいと解決策も示された。

 さらに参加者から質問が相次いだ。「アプリでデータをチェックした人が押せるように『いいね!』ボタンをつけることはできないか」「罫線を引くにはどうすればいいのか」など。前者は、コミュニケーションスペースでは簡単なのだが、アプリに「いいね!」ボタンをつけるにはプラグインを使う必要があるとのこと。後者については、Excelで表を作ってリッチテキストエディタにコピー&ペーストすることで簡単に対応できるそうで、実際に罫線が入ったフォーム作成が実演された。HTMLやJavaScriptを使った方が早いのではと思う読者もいるかもしれないが、kintoneは非IT職でも使えるツールを目指しており、テックな解決策ではなくあえて身近な手法が示された。

池上さんからは、まさかのJAWS DAYS紹介

 いくつかの質問が出たことで参加者たちも発言する雰囲気になり、お菓子をつまみながらのざっくばらんな会話になった。参加者の半数以上がすでにkintoneを使っており、「会社でこんな風に使いたいんだけど、どう設定すればいいかわからない」といった具体的な課題も持っていた。運営チームのメンバーも加わり同じ話題、似た課題を抱えた女子同士、お茶とお菓子を囲んで共感と解決策を得られたようだ。

kintoneの使い方について語り合う参加者のみなさん

 予定時間もおし迫り、最後にアールスリーインスティテュートの池上 緑さんからお知らせがあった。池上さんはkintone Café 関西女子会のコアメンバーなので、関西女子会のお知らせだと皆が信じきっていたのだが、予想を覆して3月に迫ったJAWS DAYS 2017の宣伝であった。サイボウズはJAWS DAYS 2017のスポンサーに名を連ねており、kintoneに関するセッションもあるので、他のコミュニティに参加したことのない方はぜひ立ち寄ってみてほしいと呼びかけ。JAWS DAYS 2017では託児サービスも用意する予定とのことで、お子さんのいらっしゃる女性でも参加しやすいとのこと。

アールスリーインスティテュートの池上 緑さんはまさかのJAWS DAYS 2017をPR

 女性の力を活用していくために託児が重要なのは、筆者が強調するまでもない。今回の女子会参加者の中にも「子供を預けてあるので」と早めに席を立った方がいらした。女性が社会で活躍していくことは、子育ての負担を社会で分担していくこととセットでなければ進まない。

最後はサイボウ樹の前でみんなで記念撮影

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