臨場感が倍増でも実はお手軽!? 4K BDをDolby Atmos環境で楽しむ!
2016年12月14日 12時00分更新
これは凄い!! サウンドバーとは思えない
音場空間の広がりにビックリ
さっそく、パナソニックのUHD BD対応BDレコ「DMR-UBZ2020」と、HDR対応の4Kテレビ「TH-58DX950」のシステムと組み合わせる。
といっても、DMR-UBZ2020のオーディオ用HDMI出力をつなぐだけだ。たくさんの機材を接続すればそれなりに配線はごちゃごちゃしてしまうが、BDレコや薄型テレビと接続するならばHDMIケーブルだけ済むので配線は容易だ。
サウンドバーとの接続は付属の専用コード1本で済むし、サブウーファーはワイヤレスなので配線は不要。スリムでコンパクトだから設置も手軽で、非常に使いやすい。
設置が完了したら、自動音場補正を行なう。付属のマイクを接続し、画面の操作に従って開始するだけでいい。これで部屋の測定と音響条件の補正も完了する。
ここまでの作業で戸惑うことはほとんどないし、ほとんどの家庭で置き場所に困るということもないはず。一般的なサウンドバースタイルで、ドルビーアトモスやDTS:Xに対応できてしまうのだから、その簡単さには驚かされる。
セッティングが済んだら、SF映画「オブリビオン」を再生。UHD BD版はDolby Atmos音声にグレードアップされているのだ。
まず驚くのが、前方音場の奥行きを伴った立体的な再生。観測用のジェット機で荒廃した地球上を飛び回る場面では、ジェットの噴流の音や風を切る音が前後に抜けていくし、宙返りや急降下といったアクロバティックな飛行でも上下の高さ感があるので、あたかも飛行機と一緒に飛び回っている雰囲気になる。
後方の音も、良好な効果が得られる範囲はやや狭いが、真横からやや後ろの音もかなり明瞭に再現される。少なくともバーチャル再生タイプのサウンドバーでここまでの前後左右の音場が再現できたモデルはほとんどない。高さ方向の空間の再現も加えるとしても、ヤマハのYSP-5600と本機だけだ。
この秘密は、Dolbyが開発した新技術「サラウンドエンハンサー」によるもの。基本的にはバーチャルサラウンド技術で、人間の耳が四方の音を認識する仕組みを応用して仮想的に後方の音を再現する。
ユニークなのは、Dolby Atmosによる高さ方向の音の再現も考慮して開発されているため、3.1.2chの再生と相まって後方の音を再現する。これにより、前後左右そして高さがシームレスにつながったドーム状の音場が実現できているのだ。
弱点と言えばエリアの狭さくらい。バーチャルで再現される後方の音が、横に3人並んでしまうと両側の人では効果がやや薄れると感じてしまう。
ただし、前方の広がりと高さを伴った奥行き感が豊かなので、思ったほど物足りなさは少ない。サウンドバータイプのシステムとしては約11万円は高めの部類になるが、それでもこの音は価格以上の豊かな再現性だと言える。
さらに、Dolby Atmos対応のAVアンプは、5.1chや7.1chの音も最大7.1.4chなどの構成に拡張できる「Dolby Surround」がある。本機もそれを備えるので、Dolby TrueHD音声のソフトならば、Dolby Atmos音声に近い立体的な音場を再現できるのだ。
今回、前方のスピーカーだけでサラウンドを実現するバーチャルサラウンドでも、大きな効果があることが確認できた。
後方の音の今までにない鮮明な再現はDolby AtmosやDolby Surroundによる効果が大きいと思う。サウンドバーのサラウンドにあまり期待できないという人もいると思うが、そういう人こそ、ぜひ試してみてほしい。今までのサウンドバーとはケタ違いの再現性に驚くはずだ。
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