個人事業主やフリーランスの確定申告について、ある時は疑問を解決し、ある時はお得な情報をお伝えしていく当連載。いよいよ平成28年分の確定申告の受け付けまであと2ヵ月となりました。
個人事業主やフリーランスになって、最初の確定申告でちょっと心配になっている方もいるのでは? 書類は何をそろえればいい? 準備することは? 心の準備はオーケー? ……なーんて、あわてなくても大丈夫! そんな時こそ急がば回れ。まずは「やることリスト」を作って、ひとつひとつチェックしていきましょう。
今回も、税理士の宮原先生という強い味方がバックアップ! これさえ読めば、白色申告なんて怖くない!?
初めての「白色申告」今やることリスト
- これまでの領収書を集める
- 領収書を仕分けする
- 社会保険やふるさと納税などの控除証明書を集める
- 2を元に帳簿を付ける
1. 平成28年(2016年)分の領収書やレシートを集める
2月からの確定申告に備えて、事前にやっておくことをリスト化してみました。その中でも最初に片づけておくべきことといえば……ズバリ「平成28年(2016年)の領収書やレシートを集めること」です。ひとりで経理も総務も務める個人事業主やフリーランスにとって、レシートや領収書は、「いつ、どこで、何のために、いくら使ったのか」を証明する大事なものです。まさか捨ててはいないはずだけど……家中に散らばったままなんてことはないですよね?
領収書で気になるのが、レシートの取り扱い。経費として使用した金額の一部は、レシートしか手元にないのですが、これでも大丈夫なんでしょうか?
「きっちり考えすぎなくてもいいですよ」と、宮原先生からいきなり太っ腹なお言葉が。レシートはNGかと思っていたけれど、大丈夫なんですね!
「むしろレシートの方が良いんです。大切なのは、使った日付と、何を買ったのかという内容、つまり品目がきちんと明記されていることなんです」
なるほど。手書きの領収書だと、「お品代」なんてあいまいな書き方の場合もあって、自分でも何に使ったのかわからなくなります。
あと、交通費なんですが、電車やバス代はSuicaなどの履歴の出力でもいいんでしょうか。
「はい、SuicaやPASMOの履歴をプリントしたものでも大丈夫です。ただし、交通系ICカードは乗車賃以外にも、コンビニなどで買い物にも利用できます。プライベートで利用したものか、経費なのか、あいまいにならないようにしましょう。また、プライベートと仕事と兼用で交通系ICカードを使っている場合は、出金伝票などを別途作成する方法もあります」
2. 領収書を仕分けする
さて、領収書をひととおり集めたら、今度は仕分けですね。では、月別にまとめていきたいと……
「ちょっと待ってください。確定申告ソフトを使うのでしたら、まずは月別ではなく、科目別に分けましょう」
え?
「このあと帳簿に入力をするわけですから、それを前提に整理していくと楽ですよ」と先生。
そうか! 月ごとに集めても、結局そこから科目別にまとめなきゃいけないから、ある意味二度手間ですね。科目ごとに分けておけば帳簿付けも楽そうです。
そういえば、病院の通院費、薬代は医療費扱いですよね。これも仕分けをした方がよいですか?
「はい。病院やケガなどでかかった病院の費用、通院のための交通費、治療のための市販薬などは、医療費控除の対象になりますので、経費の領収書とは別にまとめておいてください」
知っておくと便利! 確定申告の小ワザ
- 領収書ではなく、日付や支払先、内容が明記してあるレシートでもOK
- 領収書は科目別にわけておくとよい
- 医療費は別にまとめる
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