コンパクトでも多機能な最新ミラーレス一眼3機種をレビュー
第3回
従来機からAF速度が劇的に向上! キヤノン「EOS M5」をチェック
2016年11月02日 10時00分更新
文● 周防克弥
秋の最新ミラーレス一眼を紹介する本特集。3回目はキヤノンのミラーレス一眼最新モデル「EOS M5」を紹介する。11月下旬に発売予定で、ボディーのみの予想実売価格は12万円前後だ。
小型ボディーにEVFを内蔵! “プチ一眼レフ”的な外観に
本体サイズは幅115.6×奥行き60.6×高さ89.2mm、重量はバッテリーとメディア込みで約427g。装着しているレンズは同時発表された「EF-M 18-150mm F3.5-6.3 IS STM」
同社の一眼レフ「EOS」シリーズを彷彿とさせる外観ながら、ボディーはとてもコンパクト。まるで“プチ一眼レフ”的な印象となったEOS M5だが、その最大の要因は中央上部のいわゆる軍艦部だろう。ここにはストロボとEVFが内蔵されている。
撮像素子はAPS-Cサイズ。レンズマウントに向かって左下にあるボタンはEVF使用時に背面モニターでピント位置を指定する「タッチ&ドラッグAF」の切り替えボタン
EVFはレンズ光軸上にある。背面モニターは3.2型(約162万画素)。EVF使用時にタッチパッドとしてフォーカスを指定できる。背面側にも回転するホイール形状のインターフェースがある
背面モニターはチルト機能も備えている。下側に180度回転するのでセルフィー撮影もこなせる
これまでの「EOS M」シリーズは、EVFを内蔵しておらず、撮影はコンデジスタイルで行なうのが基本だった。
しかし、EOS M5ではEVFを内蔵することで一眼レフスタイルでの撮影も可能となり、ファインダーを覗いて撮りたいというハイエンドユーザーでも使いやすくなった。
EVFは0.39型(約236万画素)で見え方はM3用の外付けEVFと近い。基本的に背面モニターと同じものが見えるが、カメラを縦位置に構えるとEVFの情報表示も縦位置用に切り替わる
従来モデルの「M3」でも外付けのEVFを利用することができたが、別売りであり、装着するとコンパクトさとスマートさが損なわれる感じだった。
M5では一体でデザインされ、アイレベルでの撮影でもコンデジのように背面モニターを使った撮影のどちらでも違和感なく使えるようになっている。
外部接続用インターフェースは左右に分かれている。グリップ側にはHDMI出力が備わる。左手側にはUSB端子、マイク端子、リモート端子が備わっている
本体上面。左にはモードダイヤルがあり、右にはシャッターボタン周りと背面に近い側とで2つのコマンドダイヤルが備わる
右手側の上部。シャッターボタン周囲に電子ダイヤルがあり、さらに手前側にサブ電子ダイヤル、端には露出補正ダイヤルが備わる。それぞれのダイヤルが大きめで操作性はかなりいい。サブ電子ダイヤルの中央はダイヤルファンクションボタンがあり、押して設定項目を呼び出せる。露出補正ダイヤルも操作しやすい配置だ
左側にはモードダイヤルが備わる。ロック機構付きで、電源レバーが同軸に配置されている。この辺は同社の一眼レフと同様の操作感だ
操作系はM3よりもダイヤル中心となり、アナログ的な操作がしやすくなっている。シャッターボタン周りには電子ダイヤルが備わり、それとは別に上面にサブ電子ダイヤルが用意されている。また右手側の肩には露出補正ダイヤルが備わっている。
新レンズのEF-M 18-150mm。(11月下旬発売。税別希望小売価格6万8000円)最大径60.9mm、長さ約86.5mm。重量は約300g。マウントはプラスティック製で軽い。広角側では25cmまで望遠側でも45cmまでの近接撮影が可能だ。手ブレ補正機能を内蔵し、シャッタースピード約4段分の効果が得られる