美容業界のUberとなるか?ユーザー目線のわがまま予約に注目のrequpo
2016年7月27日、ユーザー側の都合に合わせたタイミングで好きな内容のサービス・予算で美容室予約ができるサービス『requpo』(リクポ)が正式リリースされた。
美容室の予約事情に詳しい男性は多くはないだろうが、このサービスがなかなかに興味深い仕組みとなっている。今回は、『requpo』の開発・運営を行う株式会社リクポの代表取締役CEOである木崎智之氏にお話を伺ってみた。
ユーザーの立場に寄り添った予約サービスがない!
『requpo』は日本初の”検索がいらない”美容室予約アプリだ。「『明日の夜の時間帯で、カットとカラーで8000円で収めたい。場所は表参道のあたりで……」という要望を投げると、複数の美容師からアプローチがくる。美容師をユーザーが奪い合う新しい体験ができるサービス」だと木崎氏は説明する。
アプリを起動したら、ユーザーが求める条件を選ぶだけのシンプル操作。検索不要な一方で、ユーザーはカットやカラーなどのメニューと予算、日時をアプリでリクエストできる。「トリートメントを付けてほしい」といったような希望も「おねだり」として入力可能だ。すぐに『requpo』に登録している美容師たちからアプローチが来るので、その中から予算やプロフィールをチェックして、一番気に入ったものを選ぶだけで予約完了。慣れれば10秒でリクエストが可能だ。
通常の美容室検索サービスでは、"自分で美容室を検索する手間"と"美容室の空いている時間に合わせる作業"が発生するが、『requpo』は常に自分が主役の”わがまま予約”をできるのがウリとなっている。
既存サービスの問題点は、美容室やサービス側が提示する条件を、ユーザーが検索して選んでいかなければならない点にあった。木崎氏は、本当に一般ユーザーの立場に立ったサービスを作りたいと『requpo』を考えたという。
TwitterやInstagram、LINEといったSNSなどを使えばユーザーとコンタクトを取ること自体はできるが、美容室に行く頻度はせいぜい1~2ヶ月に1度。不要なタイミングでちょくちょくDMなど営業の投稿があると煩わしく、結局フォローの解除をすることになる。『requpo』ではあくまでユーザーが必要なタイミングでしか美容師からのアプローチは来ないため、面倒なことがない。
そもそものきっかけは、従来ある美容室予約サービスでの検索にかかる手間や美容室の都合に合わせてユーザーが予約をすることへの違和感だった。「僕も調べるのが面倒くさい人間で、サービス側や美容師側の都合に合わせて検索するのが嫌だった。いろいろ探したが、本当に一般ユーザーの立場に立ったサービスがない。ユーザーのわがままを聞いてもらえる、女の子風に言うとお姫様扱いしてもらえるサービスを作りたかった」(木崎氏)
2016年7月27日の正式リリース後、すぐにTwitterトレンドの19位に入った。初速は木崎氏の想像を超え、7月末時点でユーザー数が1000人を突破。登録美容師は、テスト時は30名、現在は60名が登録している。もちろん、メインユーザーは20代の女性だ。
「ユーザーだけでなく、美容師さんにも好評をいただいている。このようなサービスで美容師はユーザーを選べないが、『requpo』を使えば自分好みのメニューや価格帯でお客さんを選んでアプローチできる。たとえば若い人のパーマが得意な美容師は、パーマでリクエストを出している若いユーザーに絞って予約を取るようなこともできるので、ユーザーと美容師の間のミスマッチを防ぐことにもなる」(木崎氏)
価格については、「1マッチング980円という金額は、大手美容室予約サービスの顧客単価の5分の1程度で、美容師個人でも利用できる価格を想定して決めた」と木崎氏。
美容業界を塗り替える可能性も秘めた、まるで美容師にとってのUberのようなサービスだが、どうしてこのタイミングで世に出たのか。ここからは、その背景に迫ってみたい。