最安価格帯の更新はないものの、続々と登場している安価なエントリーSSD。その上、メインストリーム向けモデルが週末限定で値下がりするなど、SSD選びは目移り必至な状態になっている。そんななか、ちょっと目を引かれたのが、Kingstonから2016年6月に登場した「SSDNow UV400」シリーズだ。
「SSDNow UV400」シリーズの最大シーケンシャルリードとライトは、リード550MB/sec、ライト500MB/secとエントリーSSDとしては悪くないが、ランダム4Kライトは120GBで1万5000IOPS、480GBでも5万IOPSと低め。
さらにMTBF(平均故障間隔)は、格安SSDでも150万時間がうたわれているところ100万時間と、スペックで選ぶと正直微妙なのだが、非常に惹かれたのがCrucialブランドの新型SSD「MX300」シリーズにも採用されている4チャンネル同時アクセス対応のMarvell製コントローラー「88SS1074」を採用している点。
そして、240GB「SUV400S37/240G」で7200円前後、480GB「SUV400S37/480G」で1万3000円前後というエントリーとメインストリーム向けTLC SSDの中間となっている価格帯だ。
とくに、コントローラーにMarvell「88SS1074」を採用している点は大きく、パフォーマンスを試して(分解して)みたくなった。
| SSDNow UV400スペック表 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 型番 | SUV400S37/120G | SUV400S37/240G | SUV400S37/480G | SUV400S37/960G |
| 容量 | 120GB | 240GB | 480GB | 960GB |
| NANDフラッシュタイプ | TLC NAND | |||
| コントローラー | Marvell 88SS1074 | |||
| シーケンシャルリード | 550MB/s | 550MB/s | 550MB/s | 540MB/s |
| シーケンシャルライト | 350MB/s | 490MB/s | 500MB/s | 500MB/s |
| 4Kランダムリード | 9万IOPS | |||
| 4Kランダムライト | 1万5000IOPS | 2万5000IOPS | 3万5000IOPS | 5万IOPS |
| MTBF(平均故障間隔) | 100万時間 | |||
| TBW(総書き込み容量) | 50TB | 100TB | 200TB | 400TB |
| 保証期間 | 3年間 | |||
| 実売価格 | 4500円前後 | 7200円前後 | 1万3000円前後 | 未発売 |
※:「SSDNow UV400」シリーズには、2.5インチUSBケースや7mmから9.5mm厚へ変換するアダプター、バックアップソフトなどが付属するアップグレードキットモデルもあるが、表の型番と価格はSSD単体モデルのもの。
というわけで、「SSDNow UV400」をさっそく試してみることにした。用意したモデルは、写真や動画、大容量化が進むゲームデータをSSDのみのストレージ構成でも、十分保存でき、4Kランダムライトが3万5000IOPS、TBWが200TBになっている480GBモデル「SUV400S37/480G」だ。
エントリーモデルながら
金属筐体の採用やキャッシュ搭載とグッド
まずは「SUV400S37/480G」を分解してコントローラーやDRAMキャッシュの確認をしよう。筐体4ヵ所のネジには中央に凸のあるいじり止めタイプの六角星型(トルクス)が使われていたので、いじり止め対応の工具を用意する必要があったが、工具があればササッと分解可能だ。
なお、分解時のお約束だが、分解すると3年間のメーカー保証はもちろん、ショップの初期不良交換も受けられなくなる点はお忘れなく。
分解すると、Marvell製コントローラー「88SS1074」コントローラー、DRAMキャッシュ、裏表あわせて16枚のKingston刻印が入ったNANDフラッシュが見てとれた。また、金属筐体を採用している時点で期待したが、期待通りコントローラー部には熱伝導体が貼ら、金属筐体で放熱されるようになっていると好感触。
メモリー製品の世界最大の独立メーカー
Kingston
読者のなかには、“Kingstonって?”という人も結構いると思うが、「Kingston Technology」はメモリーモジュールの世界NO1のシェアを持っているアメリカのメーカー。
メモリー=バルク品だったひと昔前は、高品質なメモリーと言えばKingstonで、Power PC時代のMACなどのメモリーを増設する際は、ド鉄板だった。
2008年に独自のメモリーモジュール向け放熱技術の「HyperX Thermal Xchange(HTX) テクノロジー」を発表。高いオーバークロック耐性や安定性を発揮し、高品質なメモリーを提供するメーカーとしてだけでなく、オーバークロックメモリーのメーカーとしても知られている。
SSDに関してはCrucial、Samsungといった定番メーカーほど知られてはいないが、PCI Express 2.0×4接続のM.2/PCI Express SSD「HyperX Predator PCIe SSD」シリーズなど、人気となった製品も送り出している。
また、近年はゲーミングヘッドホンでも、知名度アップ中だったりする。

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