インドの家電量販店ウォッチでは、スマートフォンやタブレットも面白いが、白物家電もまた面白い。
スマートフォンでは「MicroMax」などのインドブランドもあるが、同じOS・同じハードウェアであり基本は変わりない。ところが白物家電になると、生活習慣に根ざした、日本では見かけることのない、謎製品が並ぶ。中国や東南アジアで売られる白物家電は、おそらく日本人がすんなり理解できるものなのだが、インドは結構違うのだ。
パナソニック製もある!
ツインタワーのような謎の家電
筆者がいたマンガロールという南インドの街には、家電量販店といえるものが何店かある。その白物家電コーナーで、ずらりと、何か似たようなものが目立った場所に並んでいる。
いくつかのメーカーがあり、それは小豆色だったり黒色だったり白色だったりするが、円筒形が2つ、ツインタワーのように立つさまは、例えるならば二層式のコーヒーメーカーのようにも見える。
それは「Wet grinder」と呼ばれている。インドの家庭(特に南インド)では、あるとうれしい電動式の石うすで、インドで人気急上昇中のAmazonインドや、オンラインショッピングでは定番のSnapdealやFlipcartなどで、「Wet grinder」で検索すると、多数出てくる。値段はまちまちだが、日本円で5000円から1万円程度のものが多い。
ひとつの円筒形が中が開けることのできない電源ユニットで、もうひとつの円筒形が中が空洞の石うすユニットである。鉄の容器の中で、石器時代の石のコインのような石が回転し、容器の中のものを磨りつぶす。
回転石もまわすのが電力を食うらしく、それで電源ユニットがどれもかなり大きいようだ。容器も回転石も電源ユニットもどれも重いので、トータルしてこの製品は大の大人の筆者でもうなるほどに重い。
筆者が訪れた街の家電量販店で売られているWet grinderは、ガタイは大きいのにインターフェースはシンプルで、多くの製品が電源のオンとオフしかない。
さまざまなメーカーが安いものから高いものまで出しているが、大きいか小さいか、それに石うすの形状の違いで値段が異なる。
「一番安いモノは特別品質が悪い」とばかりに、安かろう悪かろうと避けらる。一方で、ハイエンドを狙うなら、オンラインショッピングサイトで検索すると、パナソニック製のタイマーやブレーカー付きの電動石うすを発見できる。
ミドルレンジの定番ならば、オンラインショッピングのほうが安くてお買い得だ(今のインドではちゃんとモノが届く!)。この買い物事情がなんとも中国と似ている。筆者も1台入手してみた。
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