インドメーカーとしては、トップのポジションである「Micromax」。前回紹介したように、中国市場に進出する意欲を出すも、ハードウェア的は中国製で、スペックは低いし、値段でも負けるというものであった。
ハードウェアは面白みに欠けるが、プリインストールされているソフトウェアはインド製が多く面白い。インドの先進的なスマートフォンやITサービスの使い方を知る参考になろう。
そこで、今回はMicromaxスマホにプリインストールされているアプリを紹介する。これらのインドアプリを入れれば、今日からあなたのスマホはインドスマホだ!
ちなみに、世界的な定番アプリはどうかというと、筆者が購入したMicromaxの4Gモデル「Canvas JUICE 4G」においては、Android 5.0の上に、Google Playほか、ChromeやYouTubeはプリインストールされている一方で、Twitterや人気のFacebookはプリインストールされていない。
また、言語の標準はヒンディー語ではなく英語である。他のインドの公用語も選択はできるが、家電量販店ではすべてが英語設定であった。
ボリウッド音楽が詰まった音楽アプリ「Saavn」
Micromaxのスマートフォンのホーム画面には、「Joy」というフォルダーがあり、その中に音楽の「Saavn」や、オフラインで遊べるゲームがダウンロードできる「m!Live」、それに「Amazon kindle」が収まっている。
インドの音楽と言えば独特なボリウッド音楽。日本でも中国でも東南アジア各国でも、ネット黎明期から音楽視聴が人気のサービスとなったように、インドでもまたボリウッド音楽などが聴けるSaavnなどのサービスは人気となっている。
Micromaxのスマートフォンにも入ったSaavnのアクティブユーザーは1800万人いるという。音楽配信でも「Hungama Music」などのライバルサービスがあるが、いずれにしても海賊版の配信が問題視され、正規版を徐々に増やすという、中国でもかつて見た動きがインドで今起きている。
SaavnでもHungama Musicでも、インドのコンテンツ以外はなし。アプリやサイト上からはWeekly top15が確認できるので、なんとなく音楽を流してみてはいかがだろう。音楽を流したら、Micromaxのスマホが一気にインドらしいスマートフォンに変わった。
ゲームに関しては、m!Liveとは別に、横スクロールで車を操作してゴールまで導く「Monster Truck Saga」というタイトルと、同じく横スクロールで主人公が横に走り、時にジャンプをしてゴールを目指す「Temple Paradise Dash」というタイトルが入っている。
いずれも3回までプレイできて、それ以上遊びたかったら1タイトルにつき99ルピー(150円)で制限なしで遊ぶことが可能……ではあるが、m!Liveにしても上記の2タイトルにしても、昔のFlashゲームを彷彿とする感じで、正直面白くはない。まだインドでの人気ゲーム登場は時間がかかるか。
「Snapdeal」「Scandid」などオンラインショッピングアプリも充実
ホーム画面の「Shopping」フォルダーには、地場企業でソフトバンクも出資している「Snapdeal」と「Amazon」のアプリがある。この2つに加えて、「Flipkart」と「Paytm」のアプリがあり、現在のインドの4大ECサイトが利用可能だ。
SnapdealとFlipkartは日本人が見ても違和感ない、普通のオンラインショッピングサイトで、これを追う形でインドITのメッカであるバンガロールを中心に、Amazonが攻めている。
Paytmはクレジットカードやデビットカードを使って、プリペイドSIMカードの通話料金のチャージや、同社オンラインショッピングサイトの商品を販売。
携帯電話料金のチャージのついでに、同サイトで商品を購入するのを狙っているのだろうか、なかなかの人気だ。Paytmが人気ということで、Paytmとまったく同じコンセプトのサイトがいくつか登場している。
さらに、Micromaxのスマホには「Scandid」というインドのアプリがプリインストールされている。これは製品のバーコードをスキャンすることにより、各ECサイトでの価格を表示して比較するアプリだ。
つまり、現地で見て、スキャンして、最安値を見るというのが、複数のインドの人気アプリによりできるわけだ。

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