PCゲームのダウンロード販売サイト『Steam』から、面白いゲームを発掘して紹介するレビュー連載。第37回は、サバイバー4人と殺人鬼1人で争う非対称型オンライン対戦ゲーム『Dead by Daylight』を紹介する。
「4vs1の非対称型オンライン対戦ゲーム」と聞くとかの『Evolve』を思い浮かべる人が多いだろうが、Evolveが4人で1人をフルボッコするゲームだったのに対し、Dead by Daylightは1人で4人をフルボッコするゲームだ。
サバイバー側の4人にできることは狩られることだけであり、殺人鬼側は思う存分に殺戮を楽しめる。逆にサバイバー側は恐怖だけを味わえるわけで、経済評論家もビックリのWin-Winの関係が本作では構築されている。
もちろん両方を味わうこともできるため、その日の気分次第で今日はサバイバー、明日は殺人鬼と遊び分けるとより楽しいぞ。
逃げ切るか、殺されるか
まずは基本的なルールから説明していこう。Dead by Daylightでは、ランダム生成されたフィールドにサバイバー4人と殺人鬼1人が放り込まれる。
このなかでサバイバーはフィールド内にいくつかある発電機のうち5つを修理して電源を回復させ、殺人鬼に殺される前に脱出ゲートを開けてフィールドから逃げれば勝ちとなる。
逆に殺人鬼はサバイバーたちが脱出できないよう、発電機を修理している音や稼働したときの光を手がかりにして獲物を探し出し、サバイバーを皆殺しにすれば勝ちとなる。
ただ、Dead by Daylightには絶対的な勝ち負けというものはなく、プレイ内容に応じてポイントがプレイヤーに割り振られ、そのポイントを消費してパーク(スキル)やアドオン(アイテム)を獲得していく仕組みだ。
そのためサバイバー側で殺されてもそれまでに発電機を修理した数が多ければポイントを多く稼げるし、逆に逃げ切っても何もしていなければあまり多くのポイントは貰えない。ゲームの報酬を単純な勝敗ではなくポイント制にしたのがDead by Daylightの良いところだろう。
発電機を修理しよう!
次にサバイバー側でのゲームの流れを説明しよう。サバイバーは男女2人ずつおり、プレイヤーは好きなキャラでプレイできる(使用キャラの重複可)。キャラによって固有のパーク(スキル)があり、それによりゲームプレイに変化を作れるがそれができるのはまだ先の話。
まずは普通にプレイし、パークをアンロックするためのポイントを稼がなければいけない。
ゲームが始まったら、フィールドを探索して発電機を見つけよう。発電機の数はフィールドによって異なるが、いくつかあるため見つけたものから手当たり次第に修理していけば良い。
ただしフィールド内を殺人鬼がうろつきまわっているため、殺人鬼に見つからないように修理する必要がある。修理中は発電機を修理する音が出るし、何よりランダムで発生するスキルチェックでミスをすると発電機が爆発し、殺人鬼に爆発した発電機の場所=自分の居場所が通知されてしまう。
そのため、じつは見つからずに修理するのは難しい。そこで頼りになるのが心音だ。
サバイバー側は殺人鬼が近づくにつれてキャラクターの心音が「ドクッ、ドクッ」と大きくなる仕組みがあり、発電機の修理中に心音が聞こえてきたら即座にその場から離れるようにしたい。
もしも見つかってしまえば、命をかけた鬼ごっこの始まりだ。
殺人鬼から逃げろ!
殺人鬼に見つかった場合、できることは逃げるしかない。懐中電灯を持っていれば目くらましをすることもできるが、どっちみち逃げることに変わりはない。
問題は、殺人鬼の方が足が速いことだ。直線で逃げた場合、まず逃げられない。
そこで利用したいのが障害物だ。フィールド内の窓枠を乗り越える速度はサバイバーの方が早く、窓枠を経由して逃げれば殺人鬼を撒ける可能性が高まる。
また、狭い通路に立てかけてある木の板を倒せば、殺人鬼はそれを壊さないと前へ進めない。殺人鬼側は木の板を壊す時間が必要なうえ、そのあいだ視線が下になるためこちらを見失ってくれるかもしれない。
もちろん殺人鬼側もそんなことは熟知しているため、初心者殺人鬼ならいざ知らず、その道のプロの方になると足の速さを利用してまわり込んだり、出口で待ち伏せしていたりする。
そうなると斬られてしまい、2回斬られるとダウンして逃げられなくなる。
捕まった仲間を助ける?見捨てる?
サバイバーがダウン状態になると、殺人鬼はそのサバイバーをかつげるようになる。
かついだあとの行き先はフックである。鉤爪上のフックに、生身のサバイバーを背中からブスリと吊り下げるのだ。そしてこのフックが厄介だ。
なぜだか分からないがフックには悪魔が潜んでおり、一定時間経つとサバイバーをグサリと刺して殺してしまう。そう、殺人鬼は殺人鬼なのに殺さないのだ。殺すのはフックである。
フックから抜け出すこともできるが、確率が低く筆者は成功した試しがない。確実な生還方法は味方のサバイバーに助けだして貰うことだけ。フックに吊り下げられたサバイバーの周りに殺人鬼がいなければ、なるべく救出しよう。ポイントが貰えるぞ。
もちろん殺人鬼もほかのサバイバーが救出にくることは知っているため、どこかに隠れていたりあたりを巡回しながらフックから目を離さないようにしている。この救出を賭けた駆け引きが面白い。
なかにはフックの前でガン待ちしている絶対逃がさないマンもいるが、そのあいだ捕まえていないサバイバーは自由な状態であり、発電機を修理されてしまう恐れがある。このため、ガン待ちはあまりオススメしない。
ぶっちゃけてしまうと、何度か逃げられた方が吊るすたびにポイントが貰えるためサバイバーと殺人鬼の双方にとってメリットがあったりする。
ゲートを開けて脱出しよう
そんなこんなで殺人鬼と命のおいかけっこをしながら5つの発電機を修理すると、ブザーが鳴りフィールドの外周に2つあるゲートを開けられるようになる。そう、開けられるようになる。
ゲートは手動で開ける必要があり、発電機を修理したからと言ってすぐに逃げられるわけではない。殺人鬼もその段階になるとゲート前にやってくるため、確実に逃げられるとは限らない。
いかに相手を騙すかがDead by Daylightの鍵である。
ちなみに、本作にはゲート以外にも脱出方法がある。それは最後の1人になった場合、フィールド内にあるハッチが使えるようになるのだ。
たとえば1人だけ生き残ったが修理ができた発電機がほとんどない、といった状況だとサバイバー側にはほぼ勝ち目がない。そこで、最後の1人になったときだけハッチからの脱出が可能になる。
殺人鬼もハッチの場所を見はりつつ、残ったサバイバーと1vs1の駆け引きが楽しめるというわけだ。
サバイバーを見つけろ!
今度は殺人鬼側のゲームの流れを説明しよう。殺人鬼はトラッパー、レイス、ヒルビリーの3人がおり、それぞれにベアトラップが使える、ステルスモードになる、チェーンソーでダッシュができるという特技を持っている。
人気なのはベアトラップでサバイバーを捕まえられるトラッパーと、ほかの2人より足が速くステルスでサバイバーに近づきやすいレイスだ。ヒルビリー? あれはロマンだよ、キミ。
好きなキャラを選んだら、フィールドを歩き回ってサバイバーを見つけよう。殺人鬼の視点ではマップ上のどこに発電機があるか見えるため、発電機を巡回していればそのうち見つけることができる。
とくに修理が始まっている発電機はその近くにサバイバーが潜んでいる可能性が高いため、ただ見まわるだけではなくあたりを探索すると慌てて飛び出していくサバイバーを見つけられるだろう。
サバイバーを狩れ!
逃げ出したサバイバーをどうやって追うかだが、基本的にはまっすぐ追えば良い。ただしサバイバーは障害物を倒したり窓枠を乗り越えたりと、どうにかしてこちらから逃げようとする。
その行動の裏を読み、回りこんで斬るのが殺人鬼側の醍醐味だ。とくに出会い頭の初手で1回斬れるとサバイバーは出血し、なおかつうめき声をあげるようになるため隠れられたあとも発見がとても簡単になる。
また、サバイバーが走るとその痕跡がフィールド上に数秒間残るため、一度見失っても痕跡を追えば見つけやすい。
こうしてサバイバーに追いつき、2回斬ればダウン状態に追い込める。あとはフックまで運んで吊るしてしまおう。
フックで待つか、次の獲物を見つけるか
フックに吊るしてしまえば、よほどのことがないかぎりサバイバーは自力で逃げられなくなる。しかし、他力があれば逃げることができる。
そのため、フックに吊るしたあとどうするかが問題だ。ほかのサバイバーが助けにくる可能性を潰すためにフックの周りで警戒するか、それとも助けを無視でほかのサバイバーを探しに行くか。
トラッパーであれば周りにベアトラップを仕掛けることで救出にきたサバイバーを捕まえることができ、レイスであればステルスモードで心音を消し、いないフリをして同じくサバイバーを捕まえられる。ヒルビリーは……だからロマンだと言っただろう。
どうしても逃したくない場合は、フィールド中央にある地下室のフックに吊るすと確実だ。どのフィールドにも殺人鬼が殺害を楽しむための地下室が用意されており、そこは出入り口がひとつしかないため救出に行きにくい。
その分、そこまで運ぶあいだに逃げられる恐れもあり、どこに吊るすのかも殺人鬼としての腕前を問われるポイントだ。
ランクマッチで上位を目指せ
このほか取得したポイントを使ってパークやアイテムの獲得、フィールド内で得たアイテムの使い方などの要素もあるが、それら全てを説明していると記事があまりにも長くなってしまうので割愛したい。
パークは修理速度やダメージの回復速度を上昇させるといった能力の強化が多く、アイテムには自分で回復するためのメディキットやそれらの能力を上昇させるアドオンなどがある。
これまでに説明してきたプレイの流れとこれらのパーク、アイテムを駆使し、1ゲームで一定数以上のポイントを取得できるとランクが上昇する仕組みになっている。今のDead by Daylightではこのランクを上げることがゲームの目的だ。
とは言えランクが上がれば上手い人とマッチする……というわけではなく、今のところあまり機能していないようだがランク一桁が相手にいるとかなり苦戦するため、より白熱した対戦が楽しめるぞ。
Dead by DaylightはSteamの売上ランキング1位、1日のプレイヤー数も1万人を超えて大人気だが、なんせ「4vs1の非対称型オンライン対戦ゲーム」なのでできることなら旬がすぎないうちのプレイをオススメしたい。
値段も1980円と安く、7月5日までは10%引き(PayDay 2を所有しているとさらに10%)なので早めに購入しよう!
「ここまで読んだけどどんなゲームか分からん」という人は、筆者の実況プレイ動画もチェックしてみて欲しい。サバイバー側でプレイしているぞ。
Dead by Daylightの推奨動作環境は?
推奨システム要件が、CPUがCore i3-4170もしくはFX-8300以上、GPUがGeForce GTX760もしくはRADEON HD8800以上とあり、快適に遊ぶならミドルクラス以上のGPU性能が必要だ。
グラフィック設定はLow、Medium、High、Ultraの4段階あり、Core i7-3770(3.4GHz)、GeForce GTX960を搭載するゲーミングPCでは、High設定で平均43fps前後。暗いシーンが多いため、シャドウ系の処理が重いと思われる。
『Dead by Daylight』
●Starbreeze Studios
●1980円(2016年6月14日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows
ジャンル アクション
Dead by Daylight is a trademark of Behaviour Interactive Inc. All other trademarks are properties of their respective owners. Developed by Behaviour Digital and published by Starbreeze Studios. All rights reserved.
■著者:篠原修司
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: KiDD
・Twitter:@digimaga
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