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“Watsonはすでに実用段階”とアピール、「IBM Watson Summit 2016」基調講演(前編)

「IBM Watson」国内最大ユーザーのソフトバンクがビジネス活用を語る

2016年06月02日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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Watsonで「業務工数の半減、生産性/創造性の倍加」に挑むソフトバンク

 与那嶺氏に「Watsonの国内最大ユーザーであり、パートナーでもある」と紹介されて登壇したのは、ソフトバンクCEOの宮内謙氏だ。ソフトバンクでは、2015年2月からIBMと共にWatsonの日本語化研究開発に取り組み、Watsonの国内販売もIBMと共同展開している。

ソフトバンク代表取締役社長兼CEOの宮内謙氏。「最初にWatsonの話を聞いたとき、これは素晴らしいことになると直感した」

 宮内氏は社長就任後、全社員が最新のIT技術を駆使して新たな価値を生む「スマート経営」の実現を目指してきた。具体的には、「業務工数とコストを半分に、生産性と創造性を2倍に」するという「Half & Twice」を目標に掲げている。

 「この目標に対し、幹部は皆『無理でしょう』と口を揃えた。しかし、わたしは『Watsonを使えばできるのでは……』とおぼろげに思っていた」と、宮内氏は当時を振り返る。そして、スマート経営の実現を目指し、ソフトバンク社内では幾つものWatson活用プロジェクトがスタートした。その1つが「ソフトバンクブレーン(Softbank BRAIN)」だ。

 ソフトバンクブレーンは、顧客情報や商品情報、社内ドキュメントなどの膨大なデータと、Watsonの知能をバックエンドで活用し、同社コールセンターやショップのスタッフ、法人営業担当が利用することを目的とした、意思決定支援/接客支援システムである。

ソフトバンクブレーンは、同社のコールセンターやショップ、法人営業担当が利用する業務支援システム

 すでにコールセンターではソフトバンクブレーンの利用が始まっており、会場ではデモビデオが上映された。コールセンターのオペレーターが顧客から受けた質問や要望を自然文で入力すると、Watsonがその「意図」を理解し、「確信度」の順に回答候補を提示する。これにより、応対するのがたとえ新人オペレーターであっても一貫性のある対応ができるというストーリーだ。

質問文から顧客の「知りたいこと」をWatsonが推測し、回答となる情報源を提示する(画面はデモビデオより)

 宮内氏は、次はソフトバンクブレーンを全国3800余りのショップや量販店にも展開し、店舗スタッフの接客支援に役立てたいと語った。「当社には膨大な数の製品とサービスがあり、スタッフが頑張って勉強しても知識が追いつかないのが実情。このソフトバンクブレーンを店頭に展開することで、お客様からのさまざまな質問にその場でバシッとお答えできるようになる」(宮内氏)。

 なお、同システムは社員向けサポートセンターでも利用を開始している。7月には同社法人営業担当向けにサービスインし、社内の膨大なナレッジとドキュメントを学習したWatsonが、営業担当の顧客提案をサポートしていく。さらに人事や法務、財務といった他部門への横展開も検討中だという。

今後さらにソフトバンクブレーンを横展開し、全社的な“Half & Twice”の実現を支援する

 「今、ソフトバンク社内では、このソフトバンクブレーンに知識がどんどん貯まっていっている。コールセンターやショップでは、お客様の質問に答えられないケースがなくなる。さらに、セールスクルーはこれまでの2倍、仕事ができるようになるだろう。まさに今、Watsonを活用したリアルビジネスが始まった」(宮内氏)

 Watsonをビジネス活用しているのはソフトバンクだけではない。国内でもすでに150社超がWatsonを導入、または導入検討しており、SIパートナーも増加している。宮内氏は、三菱東京UFJ銀行が「LINE」上での顧客問合せ対応にWatsonを活用している事例を紹介し、こうしたビジネス活用事例はこれからどんどん出てくるだろうと述べた。

Watsonの国内導入/導入検討企業は150社を超える

 「生産性を上げたい、創造性を高めたい、ビジネスモデルを進化させたい。そういった企業の毎日の戦いの中で、わたしの隣にはWatsonがいてサポートしてくれる。今までの3倍、4倍も仕事ができるようになるかもしれない。これを考えるだけでワクワクする」(宮内氏)

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