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“Watsonはすでに実用段階”とアピール、「IBM Watson Summit 2016」基調講演(前編)

「IBM Watson」国内最大ユーザーのソフトバンクがビジネス活用を語る

2016年06月02日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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幅広い業種の事例を紹介、「コグニティブビジネスはすでに始まっている」

 同基調講演には日本IBM 常務執行役員 コグニティブ・ソリューション事業担当の松永氏、コグニティブ・ビジネス推進室長の中山氏も登壇し、Watsonが提供する特徴的な能力(サービス)と活用事例を紹介し、コグニティブテクノロジーのビジネス活用におけるポイントを説明した。

(左から)日本IBM グローバル・ビジネス・サービス事業 コグニティブ・ビジネス推進室長 パートナーの中山裕之氏、日本IBM 常務執行役員 コグニティブ・ソリューション事業担当の松永達也氏

 たとえばWatsonは、自然言語から相手(人間)の感情を分析する「Tone Analyzer」の能力を備えている。メールの文面から、「喜んでいる」「怒っている」「感謝している」といった相手の感情を読み取ることができる。

 「これをコールセンターで活用したらどうなるか。コールの内容をTone Analyzerでリアルタイムに分析し、スーパーバイザーがそれを監視する。『お客様が怒っている』とわかれば、コールをベテランのオペレーターに引き継ぐ、といったことが可能になる」(中山氏)

 また、Twitterのツイートなど、さまざまなテキストを分析して、書き手個人の個性や価値観を判定できる「Personal Insights」というサービスもある。これを利用して、顧客の性格にパーソナライズされた旅行プランを提案するサービスを計画している旅行会社もあるという。

 そのほかの採用事例として、銀行コールセンターにおける高精度な顧客対応、損害保険会社における損害査定の自動化と迅速化、医学研究における膨大な論文からの情報探索、パーソナライズによるTwitter広告の最適化といったものが紹介された。

IBMの経営者向け調査では、多くの業種で「コグニティブ」への投資計画が明らかになったという

 国内事例として紹介されたエンジニア人材派遣のフォーラムエンジニアリングでは、登録者とのテキストチャットを通じてWatsonが個人の興味関心や性格を把握し、統計分析ソフト「SPSS」でマッチングスコアを算出するシステムを開発。人間の担当者が行うよりも公平かつ精度の高い人材マッチングが実現し、「これまで(顧客とのマッチング成立に)6回ほど必要だったものが1回になった」(中山氏)という。

フォーラムエンジニアリングでは、より精度の高い人材マッチングを目的にWatsonを活用

 中山氏は、Watsonの持つ理解/推測/学習の能力によって、企業の持つ未活用のデータ「ダークデータ」に光を当てることで「必ずや新たな発見が生まれる」と語った。またビジネス活用モデルについては、「製品やサービスへのWatson組み込み」「新たな顧客体験の創造」「専門性や熟練の必要な業務の一般従業員への開放」などが考えられるとまとめた。

 「Watsonはグローバルで400以上のパートナー、8万人以上の開発者、160を超える大学と提携している。このエコシステムの中で、より新しいアイデアと変革をWatsonと共に進めていく顧客の取り組みを、IBMでは支援していく」(松永氏)

多数の事例を紹介した松永氏、中山氏は、コグニティブを活用したビジネスはすでに始まっているとまとめた

* * *

 次回、本稿後編では、富士重工業(スバル)やかんぽ生命、東京大学医科学研究所などのWatson導入企業が登壇したパネルディスカッションの模様をお伝えする。

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