第10回JAWS-UG金沢メインセッションレポート
JAWS-UG上越妙高の植木さん、実体験に基づくAWS運用を披露
2016年06月13日 07時00分更新
5月12日に行なわれたJAWS-UG金沢第10回勉強会のテーマはずばり「運用」。メインセッションでは実際に日々システムの運用保守を行なっているJAWS-UG上越妙高の植木 和樹さんが、現場での知見をたっぷり交えて運用、保守のポイントを語ってくれた。現場に立っている人間だからこそ見えてくるもの、気づけることなどが多く、同じく運用に携わるエンジニアだけではなくもっぱら開発に携わるエンジニアにとっても得るものの多いセッションとなった。
現場のエンジニアが現場のエンジニアから学べる場に
植木さんは、クラスメソッドで運用を担当するオペレーションチームの部長を務めている。クラスメソッドは東京に本社を持つシステム企業だが、植木さん自身は新潟県妙高市に住み、テレワークで業務にあたっている。
クラウドにくわしく、働き方はテレワークという先進的な生活を送っている植木さんだが、AWSとの出会いは3年ほど前のJAWS-UG金沢(当時はJAWS-UG北陸)だった。製造業のシステムエンジニアとして働き、転職を考えていたところだった植木さんはAWSに可能性を感じ、「AWSで仕事をしたい」と今の会社に入社した。それ以来、オペレーションチームでシステム運用の最前線にいる。この3年間に、単身赴任先でJAWS-UG埼玉にコアメンバーとして加入し、現在住んでいる妙高市でもJAWS-UG上越妙高のコアメンバーとして活躍している。
個別の話題に入る前に植木さんは、運用保守を「日常作業」「監視」「障害対応」「調査」「リリース前の準備」と5つの項目に分類。また、「運用=正常に稼働しているシステムを用いて実施する業務」「保守=システムが本来あるべき姿になるよう対応すること」と定義した。運用や保守という言葉で捉えられる範囲、人によって微妙に食い違うことがある。植木さんのこの分類は、おそらく運用現場での業務分類に基づくもので、「運用保守をどう捉え、具体的にどのような作業をするか」を論じるためには適した分類と感じられた。
毎日バックアップしているけれどリストアできない!?なんてことのないように
システムを運用する上で発生する日常作業には、日次作業、月次作業、年次作業に加え、不定期に発生する作業がある。日次作業は省力化やミス回避のためにも極力自動化を勧めると植木さん。一方で見過ごしがちな不定期作業についてきちんと確認しておくべきだと語る。
「不定期作業のひとつに、システム障害からの復旧やシステム移行などに伴うデータリストアやデータリカバリがあります。いまどきバックアップを取らずにシステムを運用している企業はないでしょうし、リリース前にバックアップ機能のチェックをするのも当たり前になっています。しかし、そのバックアップがきちんとリストアできるかどうかを確認するユーザー企業はほとんどありません。体感的には50社のうち1社か2社程度しかありません」(植木さん)。
データバックアップがあっても、リストア機能が正常に働かなければ意味はない。リストア手順を確認しておかなければ、いざシステム障害発生というときにも、サービス復旧までに多大な時間を要してしまう。「バックアップが取られていることを確認するだけではなく、そのバックアップデータがきちんとリストアできるのか、その手順はどうなっているのか、事前に確認しておくことをお勧めします」(植木さん)。
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