フルHD×4の4画面表示も可能
JAPANNEXT「JN-T2820UHD」
JAPANNEXTの「JN-T2820UHD」は、TN方式の28V型液晶パネルを採用した4Kモニター。画面の表面処理はノングレアとなっている。
10bit/10.7億色の豊かな色再現を可能にしているのが画質面での特徴だ。また、スマホやタブレットなどとのMHL接続にも対応しており、スマホの画面をモニター表示することもできる。内蔵するステレオスピーカーは出力が4W+4Wとなっている。
モニターならではのユニークな特徴としては、マルチウインドウ表示に対応していること。DisplayPort 1.2、DVI-D、HDMI 1.4、HDMI 2.0の各入力の映像を4画面同時表示できる。フルHDのデスクトップを表示しながら、ゲーム画面やBD/DVDの映像を表示するようなユニークな使い方ができるのだ。
また、安価なモデルながら付属する接続ケーブルが充実している。HDMIケーブルやDVI-Dケーブル、DipayPort-Thunderbolt変換ケーブルが付属しており、ケーブルを別途用意することなく、iMacなどとも接続できる。
フルHD映像もスケーリングされて
画面いっぱいに表示される
まずは地デジなどのテレビ放送をフルHD解像度出力で表示してみた。フルHD信号を4K解像度のアップコンバートして表示するスケーリング回路も内蔵しており、画面いっぱいに地デジのHD画面が表示された。
4K出力が可能な機器だけでなく、一般的なBDレコやゲーム機などを接続しても、画面いっぱいに表示できるのはありがたい。
ただし、モニター側のアップコンバート表示は薄型テレビのような特別な映像処理を行なっているわけではないようで、精細感は十分だが、少々ノイズが目に付きやすくなるのが残念。色の再現は十分で、ノングレアパネルのせいもあってやや沈んだ色に感じるが、モニターライクなリアル志向の色再現と言える。
画質調整は、画質モード的なものは備えないが、基本的な画質調整は一通り備わっている。デフォルトの状態でも明るさ、コントラスト感ともに十分だったが、好みに応じて調整すればより好みの映像になるだろう。
LEDバックライトを使用するモニターで採用されることの多いブルーライトカット機能も備える。試してみたが、かなり大胆に青色成分をカットするようで、色温度がかなり低くなる。まるで映画モードのような低い色温度になるので、本来の目的とは異なるが映画モード的に使うのもよさそうだ。
4Kコンテンツの表示はできないが
BDレコのアップコンバート機能が使える
さて、肝心の4Kコンテンツの映像だが、4Kチューナーと接続してみると映像が表示されない。HDMI 1.4とHDMI 2.0の端子を間違えたかと思ったがそうでもないようだ。ホームページでの記載を確認するとHDCP 2.0対応ということだ。4Kコンテンツを表示するにはHDCP 2.2対応が必須なので、残念ながら非対応ということになる。
4Kチューナーの映像を試せなかったので、手持ちのBDレコ「DMR-BZT9600」を使って4K映像を試してみた。BZT9600は4K/60pのアップコンバート機能を備えるので、地デジ放送なども4K/60pの映像で出力できるのだ。
こちらで見てみると、地デジ放送はノイズ感が目立つこともなく、精細感の豊かな映像が楽しめた。4Kテレビとしてはちょっと小さい28V型ということもあり、みっちりと詰まった凝縮感のある映像はなかなか見応えがある。
BDレコ側で4Kアップコンバートした方が表示される映像の質も向上する。予算に余裕があるならば、4Kアップコンバート機能を備えたBDレコを組み合わせれば、BDなどの映画もより緻密な映像で楽しめるだろう。
HDCP 2.2に対応していないのはちょっと残念だが、価格はおよそ4万円とかなり安価で、4画面マルチ表示などユニークな機能もあり、テレビだけでなくPCでも4Kの広いデスクトップを実現したいという人には十分に魅力のあるモデルと言える。
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