本来はカジュアルユース向きのはず
いろいろ試してみたものの、Chromecast Audioは、やはりカジュアルな使い方が向いているはずです。電波でつながり、リモート操作で動くガジェットとしてのおもしろさはあるものの、本格的にハイレゾ再生を目指す人なら、それなりのネットワークオーディオプレイヤーを使うはずでしょう。
映像版のChromecastは、低価格に加え、対応するコンテンツやサービスの豊富さが魅力です。Chromecast Audioも価格の安さや機能は十分ですが、ネットワーク・オーディオもクラウド型音楽配信も盛り上がりを欠いた状況で、アダプターだけ出てきてもメリットが想像できない。そこに難しさがあるのでしょう。
ただ、安さにつられて買ってみて、各種配信サービスやネットワーク・オーディオの利便性に、改めて気づく人もいるかもしれない。Chromecast Audioの存在理由はそこにあるのだろうと思います。
著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)
1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ