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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第224回

HHKBにRealforce、最高級キーボードで快適に入力する技

2016年04月20日 10時00分更新

文● 柳谷智宣

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 どんな製品でも同じだが、キーボードにもピンからキリまである。最高級キーボードは数が少ないうえ、それほど新製品が出るカテゴリーでもない。そんななか、4月12日にPFUから新製品が出たので、この機会に最高級キーボードで快適に快適な入力環境を構築する技を紹介しよう。取り上げるのは、例えるなら黒豆柴っぽい「HHKB Professional BT」、黒ラブラドールの「REALFORCE 87UB-55」、黒コーギーの「Majestouch 2 Tenkeyless 青軸・テンキーレス」の3製品だ。

高級キーボードなら1日何十時間でもタイピングしていられる

物量で攻めるなら「Happy Hacking Keyboard」で決まり!

 大量の文章を書くライターやブロガーに根強い人気を誇るのが「Happy Hacking Keyboard(HHKB)」。静電容量無接点方式でしっとりとした手応えのある最高級キーボードだ。前述の通り、先日Bluetooth接続に対応した新製品が登場し、注目を集めている。筆者も6年前から出してくれ、と言い続けてきた製品だ。

 筆者はできるだけノーマルな環境で原稿を書く必要があるので、「HHKB Professional JP Type-S」という日本語配列のキーボードを利用している。キー数は69個だ。しかし、今回は通っぽく英語配列のキーボードをレビューしてみる。

 「HHKB Professional BT」の英語配列モデルは、なんと60キー。なかなかにミニマムなデザインで凝縮感が凄い。サイズは幅294×奥行き120×高さ40mm、重量は電池なしで530g。軽いが底面に滑り止めが付いているので滑ることはない。電源は単三電池2本で、Bluetooth V3.0に対応。Bluetoothアダプターの10m以内で利用できる。キートップの刻印はサブリメーション印刷方式を採用し、樹脂にインクを浸透させているので刻印がはげることはない。筆者が3年近く使い、何千万回もタイピングしているHKKBキーも刻印はかすれてさえいないので、信頼できる。

 背面には6つのDIPスイッチを用意しており、動作をカスタマイズできるのもうれしいところ。左下の◇キーをカナからFnキーに、◇キーとAltキーを入れ替えるといったことが可能。筆者は、SW3をオンにして、Deleteキーの動作をBackspaceに変更した。

「HHKB Professional BT」の実売価格は価格は2万9700円とちょっとお高め

おなじみHHKBのロゴ。キートップはサブリメーション印刷でかすれることがない

背面の足を起こすことで、高さを3段階で調節できる

背面にDIPスイッチを備える

 タイプ感は犬で言うなら黒い豆柴。手触りがよく、高級感がある。しかし、静音モデルではないので、タイピング音がちょっと高く耳に触る人もいるだろう。HHKBのType-Sの静かな音が大型犬なら、本モデルは小型犬の鳴き声か。とは言え、安っぽい音ではないので嫌な感じではない。キーの押下圧は45gと軽め。

 キーは少なく、初めて使うときはためらうこと請け合い。Enterキーの上を押すとBackspaceじゃなくDeleteになる、Windowsキーがない、独立したFnキーやカーソルキーがない、とキーボードとして不完全だ思う人もいるだろう。しかし、これらすべて右小指の位置にあるFnキーが解消してくれる。慣れてしまえば逆に普通のキーボードで入力するのが苦痛になるほど。一度付き合ってしまえば、柴犬のごとく忠誠心を発揮してくれるキーボードなのだ。

 筆者にとってHKKBの最大のメリットは、ホームポジションから手首を動かさずに入力し続けられること。ほかのフルサイズキーボードではそうはいかない。ファンクションキーを押したり、カーソルキーを使う際に大きく手を動かすことになる。毎日1~3万文字も入力していると、キーボードによってはすぐ腱鞘炎になってしまう。これがまた地味につらいので、できるだけ避けたいところだ。タイピングする物量で勝負している諸氏には、HHKBがお勧め。

 最新モデルのBluetoothモデルも快適だ。HHKBサイズなら、出張時に持って行くのも負担にならない。Bluetoothでスマホやタブレットでも使えるのがポイント。Windows 10 Mobile端末でも利用できた。外出先でもきちんとした原稿が書けるので行動範囲が広がりそう。なお、電池がない場合は、USB接続(給電のみ行なう)も可能。とは言え、充電池に充電する機能はないので要注意。

キートップを外したところ。円錐スプリングがキーを支える。無接点方式なので、3000万回以上の打鍵が可能

背面の出っ張りに電池をセットする

microUSB端子も備え、電池がない場合は給電も可能

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