GoogleとのProject Tangoに期待
Motoブランドのスマホは、日本国内でもSIMフリー端末として「Moto X Play」などが購入できる状態にあるが、日本はフォーカス地域ではないようだ。Lappin氏は成長市場であるインドでの成功を強調しており、同国ではすでにナンバー3につけているとした。市場の成長や規模を考えて、日本は現時点では重点市場ではないのか「まだ時期が来ていない」と述べていた。
興味深いのは、インドではスマートフォンでLenovoやMotoに触れたユーザーが、「PCやタブレットの購入につながっている」というLappin氏の指摘だ。折しもMWCでは、スマートフォンやAndroidタブレットのHuaweiがWindowsベースの2-in-1デバイス「Huawei MateBook」を出したところだった。
世界でのスマホのシェアを見てみると、LenovoはSamsung、Apple、Huaweiに次ぐ4位だ。IDCの最新の調査(2015年第4四半期)ではシェアは5.1%で前年同期の3.7%からのアップ、成長率は43.6%と最大の伸びを見せた。それでも、トップのSamsung(シェア21.4%)、Apple(同18.7%)の2強はもちろん、そして3位Huawei(同8.1%)との差は大きく、直下にはXiaomi(同4.6%)が控えている。
LenovoがMotorola Mobilityの買収を発表した2年前から、スマートフォン市場は急速に様変わりしている。Motorolaの買収効果をすぐに出せず、中国市場を含むスマホ市場が成熟に向かう中、Lenovoのスマートフォン戦略がどうなるのか。同社は夏にハイエンドを発表する予定(Googleの「Project Tango」を採用した機種?)だが、そこでLenovoらしさをグローバルにアピールできるのか、期待したい。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
この連載の記事
-
第342回
スマホ
AR/VRの長すぎる黎明期 「Apple Vision Pro」登場から6ヵ月、2024年Q1は市場はマイナス成長 -
第341回
スマホ
世界で広がる学校でスマホを禁止する動き スマホを使わない時間を子供が持つことに意味がある? -
第340回
スマホ
対米関係悪化後も米国のトップ大学や研究機関に支援を続けるファーウェイの巧みな戦略 -
第339回
スマホ
ビールのハイネケンが“退屈”な折りたたみケータイを提供 Z世代のレトロブームでケータイが人気になる!? -
第338回
スマホ
ファーウェイはクラウドとスマホが好調で大幅利益増と中国国内で復活の状況 -
第337回
スマホ
米司法省、アップルを独禁法違反の疑いで提訴 その中身を整理する -
第336回
スマホ
Nokiaブランドのスマホは今後も出される! バービーとのコラボケータイ、モジュール型などに拡大するHMD -
第335回
スマホ
ファーウェイスマホが中国で好調、次期HarmonyOSではAndroid互換がなくなる!? -
第334回
スマホ
Nokiaのスマホはどうなる!? HMD Globalが自社ブランドのスマホを展開か -
第333回
スマホ
アップルがApp Storeで外部決済サービスを利用可能に ただし手数料は27% -
第332回
スマホ
米国で特許侵害クロ判定で一時は米国で販売停止のApple Watch、修正は認められるか? - この連載の一覧へ