災害時、オフラインになったら? 「IT災害訓練」してますか
震災から5年、グーグルは「まだまだ走り続ける」(未来形)
2016年03月09日 09時00分更新
3月18日、全国に流れたクライシスレスポンス特設ページを案内するテレビCM。震災前にグーグルのキャンペーンを告知するために用意したCM枠で放送された
これからは「IT災害訓練」も必要
震災から5年になるが、牧田や賀沢は今もパーソンファインダーに関する会議を毎週続けている。
「災害に備えるのは難しいものです。あの時は『後出し』で、起きてからやったことが多かった。でも、本当はそこで満足してはいけないんです。50年に一度の災害のためになにかを作るのは、やはり無理がある。普段から使っている地図や翻訳などのサービスが、新しい操作などを覚えずとも、そのまま災害時に役立つのが理想」
賀沢はそう話す。
「我々の生活はスマートフォンありきになりましたが、災害が起きてオフラインになった時、日本国民がどう対応できるのか。そこに課題があります。IT災害訓練は、ほとんどの人がやっていない。IT企業としてなにができるか、課題はまだあります」(牧田)
牧田はこうも説明する。
「日本では『震災も落ち着いたのでもういい』となりがちですが、残念ながら世界各地で大規模災害は、毎年起きているんです。日本だって、今年の台風はどうか、次の冬の雪害はどうか、わからない。そこでなにができるかはずっと続く問題で、我々のモチベーションの元にもなっています。実務レベルでの活動はまったく止まっていません。世界中どこで災害が起きても、我々担当者の電話は鳴るようになっています。全社的にもクライシスレスポンスは、人道的なものも含め「やらなければならないこと」と位置づけられています」(牧田)
あの日、あの時に得られた経験は、世界を救うために今も使われ、洗練と改良が続けられている。
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