HPは現地時間5日、米ラスベガスの「CES 2016」のサテライトイベントにブースを出展し、同日発表した12.5型/4KディスプレーのモバイルノートPC「HP EliteBook Folio G1」を展示した。この話題のマシンの実機を現地で見てきた。
CNC加工によるアルミニウム削り出しのボディも相まって、全体的に新型MacBookの面影を強く感じるデザインだ。だが細かく見ていくと、HPならではの工夫が満載されている。
端子類は絞り込むもUSB Type-Cは2基搭載
充電とデータを別系統で使える
HP EliteBook Folioの特徴として、インターフェースを大きく絞り込んでいる。本体左側にイヤフォンジャックを、右側にUSB Type-Cポートを搭載するのみだ。
ただし、USB Type-Cポートは横並びで2基搭載している。新型MacBookではポートが1つしかなかったため、充電しながらUSB機器を使うには高価で不格好なMultiportアダプターをつなげるしかなかった。
なぜHPはUSB Type-Cを2基搭載したのだろうか? この点をブース担当者に尋ねたところ、「1基で足りないことは明らかだ」との回答が得られた。確かにUSB Type-Cは、充電とデータの両方をまかなえる最新のインターフェースだが、現実的には1基だけでは不便だ。こうした不満をHPはストレートに解決してきたといえる。
これによりHP EliteBook Folioでは、1基のUSB Type-Cで充電しつつ、もう1基のUSB Type-Cポートでデータのやり取りやディスプレー出力が利用できる。アクセサリーとして「HP USB-C Travel Dock」など、純正のUSB Type-C周辺機器も提供していく予定だ。
なお、デルの最新2-in-1「XPS 12」もUSB Type-Cを2ポート搭載していた。今後はこれが主流になるかもしれない。
ディスプレーが180度開くほか、MacBookより薄型軽量
MacBookを意識しつつも上回る仕様に仕上げてきた
HP EliteBook FolioのCPUは、新型MacBookと同じCore Mだが世代が異なり、最新の第6世代を採用する。冷却ファンを搭載しないファンレス仕様である点は同じだが、CPUの発熱はより控えめになっていることが期待できる。
ディスプレーはフルHDだけでなく、オプションで選択できる4K(3840×2160ドット)解像度なら、新型MacBook(2304×1440ドット)を上回る。さらに最大180度に開く設計で角度に制限のある新型MacBookより柔軟性が高い。
本体厚は12.4mmで、MacBookの13.1mmよりもさらに薄い。一方、重量は1kgを下回っており、920gのMacBookと同等の軽さを実現しつつ、バッテリー駆動は最大10時間を確保する。
超薄型のノートPCではキーボードの使い勝手に不安を覚えるものの、新型MacBookとは大きく異なり、しっかりしたストロークがあるキーボードを搭載する。他のHP製ノートPCと併用する場合でも、違和感なくタイピングできる印象だ。
展示機のファーストインプレッションとしては、「新型MacBookのWindows 10バージョン」そのもの。こうした製品が欲しかった人にとっては、願ってもない製品だ。米国では3月に発売予定。価格は999ドルからとなっており、日本での発表も待ち遠しい。
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