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高橋幸治のデジタルカルチャー斜め読み 第2回

「からだ」と「デジタル」を結ぶ新カルチャー

元ネタはフランス軍、忍者のように動く動画「パルクール」って知ってる?

2015年11月24日 09時00分更新

文● 高橋幸治、編集●ASCII.jp

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「触覚」で都市をスキャンしていくパフォーマーたち

  「GoPro」や「ドローン」によって一般の人々に撮影された動画を通して、私たちはこれまで得られなかった新しい「視覚」の体験を獲得した。そして、スポーツをはじめとする身体的なパフォーマンスの題材が増えたことは周知の事実だろう。

 私たちは人工知能が人間の知性を超えると想定される2045年の「シンギュラリティー=技術的特異点」へ向けて着実に歩みを進めている一方で、いま、自身の肉体を再発見/再評価し始めている。身体からの離脱を目指すかのような脳への肥大化した関心と、その真逆をいくかのような身体への回帰……。

 しかし、この肉体/身体の見つめ直しは単なる反動とは言いがたいような気がする。

GoProやドローンによって私たちは新しい視覚体験を手に入れた。これは27秒におもおよぶロングチューブをとらえた動画

 実際、パルクールはネット経由で動画が世界中に広まり、仲間を増やし、さらに動画の撮影や編集はすべてデジタル技術に支えられている。

 デジタルカルチャーとはもはやCGやVRのような視覚表現だけを指す言葉ではなく、一見デジタルとは縁遠いと思われている領域(その一例が身体)にも表出しているのだ。

 最後に、筆者が最近特におもしろいと思っているパルクールの動画を紹介しておこう。それは東京をはじめ、世界中の各都市をパルクールの舞台とする動画である。「触覚」で都市の肌触りをスキャニングしながら疾走するパルクールパフォーマー……。彼らの軽やかな体がもたらす運動性と速度感は、見慣れた日常的な風景の新たな相貌を私たちに示してくれる。

渋谷や新宿を駆け抜けるパルクール・パフォーマー。陳腐な都市の紹介ビデオなどより、よほどその街が持つ魅力を伝えている

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著者紹介――高橋 幸治(たかはし こうじ)

 編集者。日本大学芸術学部文芸学科卒業後、1992年、電通入社。CMプランナー/コピーライターとして活動したのち、1995年、アスキー入社。2001年から2007年まで「MacPower」編集長。2008年、独立。以降、「編集=情報デザイン」をコンセプトに編集長/クリエイティブディレクター/メディアプロデューサーとして企業のメディア戦略などを数多く手がける。「エディターシップの可能性」を探求するミーティングメディア「Editors’ Lounge」主宰。本業のかたわら日本大学芸術学部文芸学科、横浜美術大学美術学部にて非常勤講師もつとめる。

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