このページの本文へ

ノーク伊嶋のIT商材品評会 第9回

「ヒト」「モノ」「カネ」を月額9000円で管理する業務クラウド

スマイルワークス「ClearWorks」が描く中小企業のクラウドの世界

2015年11月19日 06時00分更新

文● 伊嶋謙二(ノークリサーチ シニアアナリスト)

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ClearWorksは月額9000円で中小企業へERMシステムを提供する

 同社の中核サービスであるClearWorksは会計、給与計算、販売仕入在庫管理の3つの業務システムが統合されているクラウドサービスだ。

ClearWorksの機能の全体像

 大企業と中堅・中小企業の業務システムの現状では、全体最適という観点で見て、非常に大きなギャップが生じている。いわゆる「IT人材」と「IT予算」の違いである。いわば大企業と中堅・中小企業のこのギャップこそが、スマイルワークス社の考える業務システムサービスのターゲットとする市場である。

 企業の経営資源である「ヒト」「モノ」「カネ」を管理する人事給与、販売仕入在庫管理、経費精算・財務会計からなり、各ソフトは月3000円。3つ合わせても月額9000円(初期費用月1万円)という価格で提供している。

 価格だけでなく、中堅・中小企業にとってかゆいところに手が届くサービスもどんどん追加しているのでありがたいはずだ。

 まずユーザー企業にとって必要なのが導入サービスである。クラウドであっても導入には不安が伴う。同社の場合、電話・メールでの無料サポートはもちろん、全国どこでも統一料金で専門スタッフによる導入支援が受けられる。導入設定支援から、データ移行、操作説明などを行なってくれる。サービス導入後も、駆けつけサポートサービス(2015年4月に開始)があり、こちらも全国一律の金額である。した。東京ならば安い、地方では高いなどとはしておらず、全国どこでも同一料金(3万5000円/回)であるところがクラウドっぽい対応だ。

 2014年には、帳票印刷オプションを提供した。日本では、帳票をユーザー企業の取引先が指定することもあることや、今まで使い慣れた帳票をそのまま使いたいなどのニーズが多い。そのニーズに対応できるように、クラウドでも自社に合った帳票で印刷ができるサービスを追加した。今年に入ってからは、全国約3000行の銀行の入出金明細の自動取り込みの自動会計仕訳機能を実現させ、SMBCファイナンスとの連携で、請求書の自動発行、自動発送までのサービスも行なっている。

 安定度もアピールポイントだ。同社のクラウド基盤は東京、北海道、九州と、違った3つの電力圏に分けて自動バックアップされている。SLA99.99%稼働保障で、サービス開始以来障害停止0%(稼働率100%)、セキュリティ事故0件を誇っているという。パブリッククラウドのAWSやグーグルなどとの価格以外の差別化としても効果は大きいとしている。そのため、国内企業にとってマイナンバー対策として安全なクラウドでと同社に声がかかる。

 現在、ClearWorksの契約者数は1万社に達しようとしている。2008年から販売を開始し、昨年のこの時期には6000社程度であったことを考えると1年で4000件あまり増加したことになる。

 解約率2.2%という数字にも驚く。しかも解約したユーザーは、廃業、合併がそのほとんどであるとのことだ。前述した、導入サービスや駆けつけサポートサービスなど、クラウドでありながら、オンプレミス同様にオンサイトのサービスを提供する。ユーザーに寄り添ったサービスであることが中堅・中小企業にClearWorksが指示される理由と思われる。

(次ページ、競合は弥生、OBC、PCAなどのオンプレパッケージベンダー)


 

カテゴリートップへ

この連載の記事
最新記事
最新記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ