最近のハイエンドスマホも減価償却対象!?
いくちょん 「最近だとiPhone 6s Plusなどハイスペックなスマホは10万円を超えますけど、白色だと10万円を超えると減価償却ですよね。そうしないためには、そういう機種は避けたほうがいいんでしょうか」
宮原 「それは人によりますね。経費として1回で落ちるか、減価償却として何年かに分けるかだけで、どちらがお得ということはありません。人によっては払ったときに経費として落としたいという方もいるでしょうから、そういう方は10万円未満の機種を選べばいいと思います。
逆に、ハイスペックな機種が使いたいということであれば10万円以上の機種を選んで減価償却すればいいだけです。1年で経費にするか数年に分割するかです。どちらにせよ減価償却して損をするわけではありません。まあ、ハイスペックと言っても青色だったら30万未満の範囲にはなるでしょうしね。
また白色から青色に変更した場合、減価償却として残っているものはそのまま資産として引き継ぐことになります。しかし、青色への変更によって上限金額が30万円未満になったからといって、白色のときに買ったものが10~30万円の間だったとしても、残りを1回の経費として落とすことはできません」
会計ソフトを使えば「減価償却は面倒」から卒業できる!?
ジサトラ ハッチ 「分割払いで支払いが残っている場合にはどうなるんでしょ」
宮原 「うん、これ、分割払いを毎回“消耗品費”などと経費にしているという間違いを見かけますね。分割払いってのは買ったときの借金を返しているだけなんですね。なので、あくまでも買ったときの支払総額が減価償却の対象になるんですよ」
ジサトラ ハッチ 「じゃあ、PCで本体だけ買って減価償却に届かない金額でした。ディスプレーは以前から使っているものを使います。で、しばらくしてからディスプレーを買い換えてとか……」
いくちょん 「もうそれは屁理屈ですよ(怒)。そもそも“減価償却は避けるべき”という風潮は、複数年に分けると計算やら毎年の確定申告の記入が面倒だという理由からだよね?
でも昨今は『青色申告』のような専用ソフトがある程度、自動的に計算して帳簿を埋めてくれるようになったんだから、減価償却を恐れる必要自体がないんですよ!」
ジサトラ ハッチ 「あっ、そうか……! ネット検索すると減価償却の避け方を語るページをよく見かけるから、いつの間にか“減価償却=避けるべき面倒事”と頭に刷り込まれていました。そう言われると、たしかに現在は恐れる理由がありません。まさに常識を疑え!ですな」
宮原 「そうですね。まあ、自分で疑わしいなあと思ったことは、相手も疑わしいと思うと考えたほうがいいでしょう。だって、調査を受けたときにどう転ぶかわからないから、『これは疑わしいなあ』と思うわけですし(笑)。
減価償却に関しては、1年にするか複数年に分けるかの違いだけで、『どうにかして避けないと……』なんて考える必要はまったくありません。注意することは先ほども言ったように、転売したら計上することを忘れないこと、だけですね!」
ジサトラ ハッチ 「じゃあ、さっそく気になっていた30万円オーバーのゲーミングPCを買っちゃおうかな!(クレカ握りしめて秋葉原にダッシュ)」
いくちょん 「えっ、無駄使いしてもいいという話ではありませんよ!? ハッチさん聞いてます? ……ハッチさ~ん!」
(提供:弥生)
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