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PCメーカーとマイクロソフトの関係は崩壊するのか!?

「Surfaceシリーズで変化促進」の裏にある、マイクロソフトの「PC市場変革」計画

2015年10月28日 18時00分更新

文● 西田宗千佳 編集●飯島恵里子/ASCII.jp

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自らの手で「これからのPC」をリード

 マイクロソフトはOSを開発しつつ、その一方で、古典的なPCの姿を拡張するアプローチを模索してきた。その一つが、Surfaceを含む、Windows 8以降の「ペン&タッチ路線」の元になった「Tablet PC」(2002年登場)であり、テレビやマルチメディア機能を強化した「MediaCenter」(2001年登場)などがある。これらはOSの機能として開発されたものでありながら、ハードウエアでのサポートが必須のものである。Surfaceが出るまで、マイクロソフトはそうしたものを、パートナーと共同で開発し、パートナーが販売する形を採ってきた。だが皆さんもよくおわかりのように、その路線は成功していない。「特殊なPC」として世に出ても、価格や機能の面で支持されにくく、ヒットしないからだ。またマイクロソフトとしても、それらのPCがすべての面で満足出来る機能を備えている、と考えていなかった節がある。

 だが、Surface以降、マイクロソフトは「PCのスタイルを拡張する製品を、自ら販売する」立場を採っている。PCが当たり前のものになった現在、ペンを含め「新しいスタイルを持つPC」の姿を率先して示していかないと、PC市場そのものが広がっていかないからである。Surfaceが多くのPCファンに魅力的なものに映るのは、そうした提案が芯を捉えているからだろう。

 一方、「PC市場」全体を考えた時、「Surfaceがあれば他のPCメーカーが不要になる」と考えるのは早計だ。

 Surfaceにおいて、マイクロソフトは徹底的にアップル製品を仮想敵とし、比較を繰り替えてしている。これには2つの意味がある。

 一つ目は、同じWindows陣営のパートナーを敵として指弾しづらい、ということ。Windows全体で見ればSurfaceの占める割合はまだ低く、他のパートナーがいなければ、Windowsというエコシステムが成り立たない。いわゆる「大人の事情」だ。


(次ページ、「『普通のPC』を変えねば市場は拡大しない」に続く)

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