「売れるECサイト」は何をやっているのか? 7000社超のEC支援実績を持つ「いつも.」のコンサルタントが、売上アップに欠かせない戦略・戦術・施策をまとめた書籍『ECサイト[新]売上アップの鉄則119 オムニチャネル時代の集客から接客まで』から、現場ですぐに使えるノウハウを厳選して紹介します。
本店では、高価格商品を適正価格で販売し利益を得ることが重要ですが、ECで高単価商品を販売するのは容易ではありません。資料やサンプルで顧客を引きつけ、購入に結びつけます。
資料とサンプルで不安を取り除く
本店では、高機能・高付加価値品を適正価格で販売し、利益を得ることが重要です。しかし、実物を手に取れないECで、ブランド品や有名商品以外の2万円を超える高単価商品を販売するのは容易ではありません。高単価商品の購入率は、一般的なECサイトの購入率である1%を大きく下回り、広告費用を回収できないこともあります。そこで有効なのが、資料請求やサンプルで見込み客を集め、購入に転換する施策です。
まず、サイト上で資料請求したお客さまに商品の詳細を提供します。認知度の低い高単価商品の場合、顧客が購入をためらう一番の理由は情報不足です。懸念材料をなくし、納得してもらうための資料を用意しましょう。
例えばカーテンを販売するサイトであれば「間違えないオーダーメイドカーテンの選び方」といった小冊子を用意します。可能であれば、計測キットや素材サンプルも同送しましょう。資料を手に取り、じっくり時間をかけて検討してもらうことで、購入意欲を上げる作戦です。
もう1つは、サンプルで見込み客を集める方法です。例えば、ランドセルは、祖父母が孫のために購入するシーンが想像できます。そこで、小さな皮の素材を商品カタログと一緒に送れば、「家庭内の営業ツール」としてサンプルが機能してくれます。お客さまは色で迷っているケースも多いので、サンプルは全色用意しておくとよいでしょう。
サンプルは、自宅や職場で「実験」できるものにすると、営業ツールとしてより機能します。例えば布団のECサイトであれば、羽毛布団のサンプルとして布団に使用している羽毛を用意します。価格が高いもの、低いものの双方の羽毛を送り、「同時に1メートルの高さから落としてみてください」という体験キットにすると、納得感が得られ、購入意欲の向上につながります。
サンプル請求を加えて購入率を倍に
資料請求やサンプル請求に対応すると、購入率は格段に高まります。平均的なサンプル請求率は3%程度なので、1000人の来店に30名がサンプル請求することになります(いつも.調べ)。サンプル請求した人の引き上げ率※を30%とすれば、10人が購入する計算です。
※サンプルを送付してから一定期間内に商品を購入した人の割合
一般的なECサイトの購入率は1%ですので、訪問客1000人中10人しか購入しないのが普通ですが、サンプル請求者10人が加わると、購入者数は20人となり、全体の購入率は2倍になります。