「売れるECサイト」は何をやっているのか? 7000社超のEC支援実績を持つ「いつも.」のコンサルタントが、売上アップに欠かせない戦略・戦術・施策をまとめた書籍『ECサイト[新]売上アップの鉄則119 オムニチャネル時代の集客から接客まで』から、現場ですぐに使えるノウハウを厳選して紹介します。
型番商品といわれるブランド品・家電品・DIY用品は、写真などのコンテンツよりも価格や納期での勝負になります。必要最低限の情報を用意し、他社との違いをオプション情報として充実させます。
Amazonの基本は「価格+納期」
ブランド品・家電品・DIY用品といった型番商品の大きな特徴は、写真に気をつかう必要がないことです。どこでも売っているものなので、基本的な商品写真、スペック、価格、納期といった必要最低限の情報に加え、保証、おまけ、ポイント、アフターサービス、送料といったオプション情報を用意します。
型番商品をメインで扱うAmazonがもっとも重視しているのが「価格」です。同じ商品を扱う出店業者があれば、もっとも安く売っている店舗が表示されやすくなっています。「納期」も重視しています。どんなに安くても届くのが1カ月後と言われると、優先順位は価格から納期に移るかもしれません。Amazonプライム会員※は年収650万円以上の人に多いと言われています。可処分所得が高い人に狙いを定めれば、納期での勝ち目もあるわけです。価格を重視する人が多いのは事実ですが、「価格+納期」の2つで差別化しましょう。
※Amazonプライム年会費を払うことで、最短で当日配達となる「お急ぎ便」が利用できるサービス
最後のひと押しはオプション情報
価格と納期だけで勝負できない場合は、保証やおまけなどのオプション情報が次の決め手となります。特に最近は、独自の延長保証を付けるサイトが目立ちます。高価格帯品は、延長保証の有無や期間が差別化になります。
メーカーによる制約で安くできない場合は、ポイントを多めに付与したり、おまけを付けたりして工夫します。とはいえ、商品にまったく関係ないおまけは歓迎されません。掃除機なら布団専用ノズル、ブランドの革製品ならメンテナンス用品を付けるなど、本来はセットで買うものが魅力的です。
いまどきのお客さまは送料にも非常にシビアです。「送料別価格」にすると一見安く見えるので、買い物カゴに入れるまでのハードルは下がりますが、決済の画面で冷静になり、離脱してしまう人が増えます。一方、「送料込価格」にすると、高く見えるので買い物カゴに入れるまでのハードルは上がりますが、そのまま購入に進む確率は高くなります。
すべての情報を見て、最終的に一番都合のいいところで買うのが、いまどきのお客さまです。判断材料となる情報を出し尽くすよう努めましょう。