最高のデバイスの、最悪なバックアップ体験―3日たっても復元しないiPhoneの環境移行
2015年09月30日 10時00分更新
Appleのサポート情報、iTunesバックアップを試みるも……
Appleはアプリの復元に際し、サポート情報を出しています(関連リンク)。
これによると、バックアップを作成する際、すべてのアプリを最新の状態にしてからバックアップを取ることで、復元できるとしています。結論から言えば、この手続きを踏んでも、iCloudバックアップからの復元は行うことができませんでした。とにかく、アプリのインストールが進んでいかないのです。
そこで、古いiPhoneからiTunesを使ってMacにバックアップを作成し、その上で新しいiPhoneへ復元する手順を踏むことにしました。ところが、ここで問題が発生します。Macのストレージの空きが13GBしかなかったのです。これでは、音楽や写真とは別にしても20GBほどを使っているiPhoneのバックアップを取れるわけがありません。これは筆者の責任ではあるのですが……。
そこで、Macで最も大きな容量を占めているiTunesライブラリをMac本体から削除することにしました。
もともとiTunesライブラリのデータは、マイクロソフトのクラウドサービスであるOneDriveへアップロード済みでした。クラウドストレージについては、Office 365 Soloに1TB分のストレージがついてくるので、Dropboxから移行しようと考えており、200GB分のデータのアップロードを9月いっぱいかけて行なっていたのです。
こうして、200GB分の空き容量を確保し、いざiTunesでiPhone 6 Plusのバックアップを作成しようとしました。しかし、手元にiPhone 6 Plusはありません。マジックでもなんでもなく、その理由はこの原稿をさかのぼると、こう書いてあります。
「7ヶ月分はiPhone 6 Plusの下取り代金でまかなえました」
iPhone 6 PlusはすでにApple Storeで下取り済みで、手元にバックアップ元のデバイスはないのです。下取りを行なってから、つまり最後のバックアップを作成してからも、最新のiOS 9対応のためにアプリのアップデートはどんどん進んでいきます。
そのため、今現在iCloudにあるバックアップも、Appleが言う「アプリを最新の状態にして作成したバックアップ」ではなくなっているわけです。
そろそろ、諦めた方が良さそうですね。
アプリをインストールし、各種サービスにログインしながら、ゼロからの環境構築を夜なべ仕事でやろうと思います。
これからiPhone 6sに買い替える人へ
iCloudバックアップは今後正常化する可能性もあります。しかし、時間短縮とエラー防止も兼ねて、「必ずiTunesでiPhoneのバックアップを取り、iTunesで復元する」ことをおすすめします。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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