「Windowsモバイルビジネスセンター」の注目点
今回の「Windowsモバイルビジネスセンター」において注目しておきたいのは、Windows Phoneを「販売」するための仕組みが構築されたという点だ。
現在、Windows Phoneを国内に投入しているマウスコンピューターやfreetelの場合、大手キャリアや大手ベンダーなどに比べると、いずれも販売網は脆弱だといわざるを得ない。今後、Windows Phoneの投入を前向きに検討していくと発言しているVAIOの場合もそれは同様だ。
しかし、今回のWindowsモバイルビジネスセンターを活用することで、DISが持つ1500社のパートナー網を使えるようになる。これらのベンダーにとって共通の課題である販売網の問題を一気に解決できるわけだ。
Windows Phoneを売るための仕組みづくり
マイクロソフトでは、CTE(チャイナ・テクノロジー・エコシステム)と呼ぶ、中国および台湾のODMパートナーを活用したプログラムを用意している。本コラムでも、この仕組みについては以前取り上げたことがある。
Windows Phoneなどの生産において、マイクロソフトとODMベンダーが直接契約。ODMベンダーは、複数のメーカーから受託することで確保する生産数量を背景に、あらゆる部材においても調達力の強みを発揮。より低価格のデバイスの生産が可能になるという仕組みだ。中小規模のOEMベンダーにとっては、大手OEMベンダーに匹敵する低価格デバイスをラインアップできるメリットがある。
つまり、中小規模のメーカーは、すでにWindows Phoneを低コストで調達できる仕組みが出来ており、あとは売るための仕組みづくりが求められていたというわけだ。
そうしてみると、今回のDISの「Windowsモバイルビジネスセンター」は、日本国内におけるWindows Phoneの販売網を整備するものともいえ、中小規模のメーカーにとって、「製造」と「販売」の両輪が整った格好だ。
その点で、今回の発表は、日本国内におけるWindows Phoneの戦略を、いよいよ本格化させる重要なポイントになるといっていいだろう。
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