コンビニ的に使ってもらいたい
──10%って何ですか、そりゃ儲からんでしょう。
今年の春までは売値に対して手数料30%でお願いしますと言ってきたんですけどね、それだとあまり利用されなかったんですよ。
──30%ってわりと標準的な数値に思えますけど。
ぼくらとしては30%でも、普通というか……そんなもんだろうと思ってたんですが、あまりに利用されなかったのでやめて、いまは10%ぐらいに。正確には10%プラス150円を目標値としてやってます。
──手数料は何で変わるんですか?
厚みですね。なるべく15mm以内におさめてくれと。ヤマトメール便の速達だと、2cmを超えるものが送れない。へんな部品を使わなきゃ10mmくらいにおさまる。15mmにおさまれば10%と150円でやれます。
──作家さんも10%くらいじゃないと売れないもんでしょうか。
みなさんマージンをとってらっしゃらないみたいなんですよね……部品を使って回路を組み立てて、という人は良心的すぎて。もうちょっと利益を取ってくれないと困るよ、とは言うんですが、モノが売れても30個くらい、ならそういう値段になるのも仕方ないのかな、なら手数料を設定しなおそうかな、となりまして。
──でも決済、梱包、発送まで全部スイッチさんがやってるんですよね。
そうなんです。クレジットカード手数料で数%取られますし、箱もオリジナル、梱包も時間かかりますし、納品書も手間かかります。
──大丈夫なんですかそれは。
お客さんにも「儲かってないですよね」と心配されます。
──それでもやっぱり一度預かる必要はあるんですか。
アマゾンみたいに、作った人が直接送るという形にはしたくなかったんです。お客さんも不安だし、つくった人も個人の方が多いので発送したとき「部品が足りない」というトラブルが起きるかもしれない。ここは預かるしかないと。
──う、うーん。どうしたって儲からない構造……。
そのぶん、ぼくらは商品を増やしてもらえるというメリットがあるんです。委託の商品が買いたいからという理由で、スイッチサイエンスに来てくれる。
──ああ、ご紹介でご来店いただいて、お得意さんになっていただくと。
そうなんです。うちの通販は送料も安くて、185円なんです。
──安すぎですけども。
そのぶんたくさん使ってもらおうと。「最近は買い置きしなくなった」という声なんかもいただいていて、なるべくコンビニ的に使ってもらうのを目指しているんです。