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パナソニックに「頑張ってほしい」と感じた、直方体ななめドラム洗濯機『キューブル』

2015年09月10日 20時50分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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 会場では「欲しい」という声がそこかしこで聞こえていた。たしかに記者も惹かれるものがあった。いままでのななめドラム洗濯機は「おでぶ」だったからだ。

 パナソニックが9日に発表した、新しいななめドラム洗濯機『キューブル』(Cuble)は、直方体をモチーフにした横ドラムふうのデザインだ。いままでの「おなかぽっこり洗濯機」のイメージを刷新した。

 ラインナップは、フル機能版/容量をおさえた設置スペース優先版/乾燥機能を省略した廉価版の3種類。価格はオープン、想定価格はそれぞれ29万円前後、25万円前後、24万円前後だ。

ななめドラム洗濯機『キューブル』


洗濯物がとりだしやすく、気持ちのいいデザインに

 いまどきの直線的でシンプルな水まわり(サニタリー)に合わせたつくり。シンクや蛇口のトーンに合わせて、クローム&シルバーをベースカラーに採用し、かなり都会的なイメージだ。

 感心させられたのは、上位機のコントロールパネルに静電容量式タッチパネルを使い、使っていないとき操作表示が自動的に消えるしくみがあること。情報量をおさえたデザインは大歓迎だ。

2003年のドラム式洗濯機にくらべると違いは一目瞭然だ

上位機はコントロールパネルが静電容量式タッチパネル

 機能面としては、洗濯物をとりだしやすい巨大な“口”が最大の特徴だ。

 洗濯槽のバランスを整えて揺れをおさえるバランサーを再設計することで、開口部を従来の380mmから420mmへと40mmあまり巨大化。丸い窓だけでなく、扉そのものを開けられるようにしている。

 腰をあまり曲げずに洗濯物をとりだせるよう、構造が工夫されている。

大きな開口部は扉そのものがオープンする

洗濯槽の揺れをおさえるバランサーを狭幅化した

 洗浄機能には『温水洗浄』『泡洗浄』を採用。水温を15度、40度、60度とコントロールした洗濯モードを備える。40度のつけおきコースであれば、皮脂汚れをじっくり溶かし、シャツの黄ばみもきれいに落とせるそうだ。

 乾燥にもこだわる。熱交換式で大きな装置が必要になるヒートポンプを使わず、3kgまでの“仕上げ乾燥”に特化した低温風乾燥機能をつけた。従来のヒーター式に比べても仕上がり時のシワが少ないという。


家電本来のありかたを取り戻してほしい

『キューブル』の名称は直方体(キューボイド)と気泡をあらわすバブルから

 パナソニックがキューブルの新たな価値として定義したのは“空間価値”だ。

 パナソニックはいままで多機能・省エネ・使いやすさといった“機能価値”を追及してきたが、これからは家電があることで居心地がよくなる、感性に響く家電という視点を加えたい、と話す。

 つまり、機能だけでなくデザインも良くするということ。

 考えてみれば当たり前のことではあるけれど、今まで日本企業はデザインを“機能を説明するもの”ととらえることが多かった気もする。ただ機能を使うだけならそれでもいいが、消費者はすぐ安物と比べてしまう。

 せっかく買うのであれば、より高い満足感を与えてくれる製品を選びたい。

 キューブルは、そんなメッセージを「ふだんプレミアム」というコンセプトにおさめている。とびきり贅沢なわけではない、小さな幸せを多く知ることこそ上質というものである──そんな考えだ。

 29万円の洗濯機が“ふだん”かどうかは意見が分かれそうだが、当たり前の毎日を明るくすることが“プレミアム”だという考え方は強く肯定したいものがある。もともと家電とはそういうものだった。

 しかし、競合商品との差別化だとか、購買層への訴求だとか、メーカーがモノではなく商品目線でものごとを考えていくと、いつしか価格と機能ばかりを追及してしまうもの。デス・スターのような扇風機もそうだが、モノとしての家電の価値をふたたび取り戻そうというのなら、パナソニックの姿勢を強く支持したい。


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