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Apple Geeks 第165回

Apple Musicの登場で変わる、OS X/iOSの音楽再生環境

2015年07月17日 11時00分更新

文● 海上忍(@u_shinobu)、編集●ハイサイ比嘉/ASCII.jp

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サウンドライブラリに貯めこんだALACをどう再生するか

 結論からいうと、容量のかさばるALAC/WAVをiOSデバイスに直接転送するのは止めたほうがいい。ストレージの使用効率が悪すぎる。アルバム数枚程度ならばともかく、数十枚ともなればギガ単位でストレージを消費するため、遅かれ早かれ写真やビデオとの共存が難しくなるはず。Apple Musicの時代、AAC 256kbps以上の品質の楽曲データは"外部"に安住の地を見出すべきなのだ。

 その候補のひとつが、Lightning端子対応のUSBフラッシュメモリ。PCとUSBで接続して楽曲データをコピー、それをLightningでiOSデバイスと接続し再生する、というリスニングスタイルだ。再生には、USBフラッシュメモリの専用アプリを使うことになるが(iOSにおいて外部ストレージは特定のアプリが排他的に使用する領域という位置付け)、「ミュージック」はApple Music専用、USBフラッシュメモリはALAC/WAVの再生専用、と使い分ければいい。

 たとえば、SanDiskの「iExpand」は容量が16/32/64GBの3種類、専用アプリとして「iXpand Sync」が提供される。マッチ箱を薄くスライスしたような形状で、持ち運びは苦にならない。Lightning端子をiPhoneに差し込むだけで「iXpand Sync」が起動するため、再生も手間いらず。FLACやMKVといったフォーマットも再生できる。詳しくは、第160回「iPhone/iPad用「外部メモリー」はこう選べ!」を参照していただきたい。

SanDiskのiOSデバイス向け外部メモリ「iExpand」。LightningとUSB 2.0コネクタを各1基装備する

DSDには対応しないが、ALACはもちろんFLACの再生にも対応するSanDiskの「iExpand」。なお、ハイレゾ品質の音源はダウンコンバートして再生される

 DLNAサーバ機能を備えたNASに保存する、という手も悪くない。クライアントアプリとDLNAサーバの双方がALACをサポートしていることが前提になるが(だからALAC非対応のnasneは不可)、iOSデバイス単独でサーバ上に保管したALACをストリーミング再生できる、ホームシェアリングとよく似た再生環境となる。

 ただし、この方法は手軽さという点ではホームシェアリングに大きく引けをとる。DLNAはそもそも仕組みが複雑で、説明資料に目を通すにしてもDMS(サーバ)やプレイヤー(DMP)、レンダラー(DMR)などと熱心なA&Vファン以外には見慣れない用語が飛び交う。ホームシェアリングとはプロトコルが異なることもあり、通信が安定していないと音飛びが発生しやすく、気やすくお勧めできないのが実情だ。

 ALACにかぎっていえば、DTCP-IP対応の動画再生機能も備えた「Twonky Beam」での動作を確認しているが、UIがiOS推奨のフラットデザインから遠いため、「ミュージック」を使い慣れた向きには不満が残るかもしれない。

DLNAプレイヤーアプリ「PlugPlayer」。レンダラー(DMR)とサーバ(DMS)をそれぞれ指定できる

「Twonky Beam」で(ALAC対応の)DLNAサーバにアクセス、ALACを再生しているところ。電波の状態に問題がなければ、スムーズに再生できる

PlugPlayerApp
価格600円 作者PlugPlayer, LLC
バージョン4.3.2 ファイル容量3.7 MB
対応デバイスiPad、iPhone、iPod touch 対応OSiOS 8以降
Twonky Beam: 動画/音楽/写真の再生/転送アプリケーションApp
価格無料(アプリ内課金) 作者PacketVideo
バージョン3.6.2 ファイル容量17.0 MB
対応デバイスiPhone、iPad、iPod touch 対応OSiOS 6以降

 扱いやすさと機動性でいえば、Lightning端子付きのUSBフラッシュメモリがもっともお勧めだが、再生およびオーディオ出力(DA変換)はiOSデバイス上で行うため、対応できるオーディオデータは最大48kHz/16bitという"ハイレゾ未満"クオリティとなる。これはiPhoneに曲を転送したときと同じ従来どおりの再生品質だが、どうせ外部機器と組みあわせるなら音質アップも図りたいところ。

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