テスト環境は?
お楽しみのベンチマークに入る前に、今回のテスト環境を紹介しよう。比較対象として1世代前(GCN1.1)のハイエンドである「R9 290X」および、ライバルのGeForceから同価格帯のハイエンド「GTX980Ti」をそれぞれ準備した。
テスト環境 | |
---|---|
CPU | Intel「Core i7-4670K」(3.4GHz、最大3.8GHz) |
マザーボード | ASRock Z97 Extreme6(Intel Z97 Express) |
メモリー | Corsair CMY16GX3M2A2133C11(DDR3-2133で使用、8GB×2) |
ビデオカード | Radeon R9 Fury Xリファレンスカード Radeon R9 290X リファレンスカード GeForce GTX 980Ti リファレンスカード |
SSD | Crucial「CT512M550SSD1」(512GB) |
電源ユニット | Corsair RM650(80PLUS Gold、650W) |
OS | Windows 8.1 Pro(64ビット) |
グラフィックドライバー | Catalyst 15.15.1004(Fury X) Catalyst 15.6beta(R9 290X) GeForce 353.30(GTX980Ti) |
R9 290Xに対しては圧倒的な差を発揮
それではベンチマークによる性能チェックに入ろう。まずは「3DMark」の“Fire Strike”および“Fire Strike Ultra”のスコアを比較する。
R9 290Xと比較するとFury Xのスコアは大きく伸びているが、GTX980Tiに対してはまだまだスコアが伸び足りない。4096基のSPも4096bitの広帯域メモリーも、目にみえる範囲では威力を実感できない印象だ。
ハイエンドGPUなので重めのゲームで試してみよう。まずは「ウイッチャー3 ワイルドハント」を使用した。画質は各項目が最も重くなるよう設定し、解像度はフルHDと4Kでそれぞれ計測する。フィールド上の所定のコースを移動する際のフレームレートを「Fraps」で測定した。VRAM使用量は3.9GB前後(GPU-Z読み)となる。
ここでもFury XはR9 290Xに対しては圧倒的な差を発揮しているものの、GTX980Tiにいま一歩詰め寄れていないことがわかる。
しかしウイッチャー3は第2世代Maxwellに最適化された「HairWorks」を利用し毛皮&毛髪の表現を強化している。ところがこのHairWorksがRadeon環境ではさっぱりパフォーマンスが出ない、というのはおなじみの話。そこでHairWorksをオフにした状態でも計測してみた。
HairWorksという枷を外すとfpsが一気に上がるが、特にRadeon勢の伸びが大きい。4K環境ではGTX980Tiとほぼ並んでいるどころか、平均fpsではわずかに上回っている。4096SPのパワーによるものか、HBMの帯域によるものかは切り分けできないが、GPUの底力がボトルネックになるようなシチュエーションなら、Fury Xも輝くことがあるということだ。
→次のページヘ続く (Ultra 4Kでゲームを試す)
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